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「ランエボ」のエンジンを搭載した三菱謹製ミニバンがあった! 「オデッセイ」より10年以上時代を先取りしていた「シャリオ」とは?

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

オープンからスポーツまで多彩なバリエーションを展開した

 2代目シャリオのカタログのコピーは「セダンより自由。ワゴンより自在。」となっており、多人数乗用の利便性がアピールされていた。だが、それだけに留まらずに、オープンボディを用意したRVRと同様に、かなり自由な「作風」のバリエーションを意欲的に登場させていた点も見逃せない。たとえばハイルーフにチルトアップ+スライド+固定式と3つのガラスルーフを備えた「クリスタルライトルーフ」はそのひとつ。このモデルではルーフ高が高まったことで、サードシートにスライド機構が設けられるなどしていた。

 また1995年5月には「リゾートランナーGT」なるグレードが登場した。このモデルはなんとあのランエボも搭載した、2000cc DOHCインタークーラーターボの4G63B型エンジンを搭載。5速MT車で230ps/29.5kg-mの性能を発揮するモデルで、カタログにも「“7シーターGT”という、型破りな発想から生まれた新しいシャリオ」と記述がある。

 フルタイム4WD、専用サスペンション、2ポットフロントディスクブレーキなども奢られ、ボンネットには迫力のエアインテークを備えたほか、電動チルトサンルーフやルーフレール付きセミハイルーフのスタイル、フロントのバケットタイプのシートなど、ファミリーなミニバンらしからぬ勇ましい性能、出で立ちが注目されたモデルだった。

 エンジンでは2.4Lと2Lのガソリンエンジンのほか、三菱車らしく2Lのディーゼル・インタークーラーターボなどもラインアップ。また地味な機能ではあるが、走行状態に応じて不要なシフトチェンジを抑えるATの機能があり、これは当時の家電などで見かけたネーミングで「ファジィシフト4速AT」と呼ばれた。今から思うと、穏やかで平和な時代を謳歌するかのようなファミリーカーだったように思える。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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