オープンからスポーツまで多彩なバリエーションを展開した
2代目シャリオのカタログのコピーは「セダンより自由。ワゴンより自在。」となっており、多人数乗用の利便性がアピールされていた。だが、それだけに留まらずに、オープンボディを用意したRVRと同様に、かなり自由な「作風」のバリエーションを意欲的に登場させていた点も見逃せない。たとえばハイルーフにチルトアップ+スライド+固定式と3つのガラスルーフを備えた「クリスタルライトルーフ」はそのひとつ。このモデルではルーフ高が高まったことで、サードシートにスライド機構が設けられるなどしていた。
また1995年5月には「リゾートランナーGT」なるグレードが登場した。このモデルはなんとあのランエボも搭載した、2000cc DOHCインタークーラーターボの4G63B型エンジンを搭載。5速MT車で230ps/29.5kg-mの性能を発揮するモデルで、カタログにも「“7シーターGT”という、型破りな発想から生まれた新しいシャリオ」と記述がある。
フルタイム4WD、専用サスペンション、2ポットフロントディスクブレーキなども奢られ、ボンネットには迫力のエアインテークを備えたほか、電動チルトサンルーフやルーフレール付きセミハイルーフのスタイル、フロントのバケットタイプのシートなど、ファミリーなミニバンらしからぬ勇ましい性能、出で立ちが注目されたモデルだった。
エンジンでは2.4Lと2Lのガソリンエンジンのほか、三菱車らしく2Lのディーゼル・インタークーラーターボなどもラインアップ。また地味な機能ではあるが、走行状態に応じて不要なシフトチェンジを抑えるATの機能があり、これは当時の家電などで見かけたネーミングで「ファジィシフト4速AT」と呼ばれた。今から思うと、穏やかで平和な時代を謳歌するかのようなファミリーカーだったように思える。