プロの手できっちりセッティングしてこそ真価を発揮する
車高調というと乗り心地が悪くなるイメージがある。それはストローク量を減らすために硬いバネを使う必要があり、そうなるとどうしても乗り心地がゴツゴツしがちだったからだ、昔は。
しかし、現代ではそもそもダンパーの精度が高まり、内部パーツの抵抗が少ないのでサスペンションがスムーズに動いて乗り心地を悪く感じにくい。
バネレートを低めにしてバンプラバーで車重を支えるセッティングをしたり、TEINのように油圧式のバンプラバ-にすることで、段差を超えた際の不快な突き上げを緩和したりもしている。そういった部分では車高調は確実に進化を続け、乗り心地もどんどん良くなっているのだ。
それでも、純正サスのフワフワとしたものを快適と定義するのならば、車高調の乗り心地には厳しさが残るかもしれない。しかし、乗車人数+積載量などがわかっていて、走るシチュエーションが決まっていれば、それに合わせてスプリングを変えたり、車高や減衰力調整などをすることもできる。
そういったことはプロの領域だが、プロによってきっちりとセッティングを合わせ込めば、驚くほど快適に仕上げることもできるのが車高調なのである。
車高やスプリングに対するプリロード、ストローク範囲など細かくセッティングがあるので、誰が付けても同じではない。とくにDIYで取り付けてヒドい状態で乗って、それを車高調の実力と罵る人が後をたたないのも現状だ。きっちりとした合わせ込みで楽しんでもらいたい。