丸みを帯びたデザインで可愛らしさを高めた3代目
2代目もきっちりと10年でフルモデルチェンジして、2002年に3代目へとスイッチしている。デザインはさらに丸みを帯びたズングリとした感じで、ライトもアイコンとして特徴的だった。これは水面から顔を覗かせるカバをイメージしたもの。コンパクトカーとしての実用度をしっかりと確保しており、歴代同様に使い勝手などの満足度はとても高かった。
エンジンバリエーションはさらに充実し、1L、1.2L、1.4Lに1.5Lも加えることで、より幅広いニーズに対応。後輪を日立の洗濯機用のモーターで駆動するシンプルで安価なe-4WDを採用するなど、技術的にも実用車向きのものが採用されていた。
ボディバリエーションとしては3ドア、5ドアに加えて、バリエーションとしてはコストを抑えるために欧州名である「マイクラ」のままで発売された「マイクラC+C」や、オーテックが手掛けた「12SR」など、個性的だった。
タイ生産となったがNISMOも設定された最終型4代目
そして10年を待たずして2010年に登場したのがK13型、4代目マーチだ。大きな話題になったのが、タイ生産になったことと、エンジンが直3となったことだろう。直3はダイハツの常套だが、振動を消しきれない形式で、マーチでもその点を指摘する声は大きかった。
デザインは丸みを帯びたスタイルや丸目など、マーチのDNAを継承したもので、パッケージングなどは悪くなかった。だが、時代的にコンパクトカーブームに陰りが出ており(だからタイ生産にしたのだろう)、軽自動車の高品質化などもあって、パッとしなかったのは残念なところではある。
そのなかでニスモによる「マーチNISMO」は注目の存在。NISMOはスタイルだけだったが、NISMO Sは大幅なチューニングが施され、往年のホットハッチ的な楽しさがあったのは救いと言っていいだろう。
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復活するのか実際のところは不明。現在の日産ラインアップを見ると、初代のころと同じように、リッターカークラス、つまり軽自動車とノートの間に空白ができてしまっている。それだけに、日産らしい技術を盛り込んで、ぜひとも復活してほしい。