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ポルシェ「911カレラRS 2.7」は約6000万円弱で落札! ホモロゲモデルでも「ツーリング」仕様が人気の理由とは

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

オレンジに変更されたボディカラー

 今回RMサザビーズのロンドン・オークションに出品された911カレラRS 2.7は、1973年1月に製作されたシャシーナンバー「0388」のツーリング。パリで販売された4台のうちの1台である。

 納車後にこの0388はさまざまなオーナーの手に渡るが、1986年には1980年から2004年までポルシェ・クラブ・フランスの会長を務めたフィリップ・オネ氏によって譲り受けられ、氏はこのクルマを伝説のポルシェ・メカニックとも称されるルイ・メズナリーに託し、全面的なオーバーホールを依頼。

 同時にボディカラーも現在のガルフオレンジに変更している。メカニカルな部分では、トランスミッションの交換やクランクケースをマグネシウム製とするなど、こちらも作業は徹底しており、0388には再び新しい命が与えられたのだ。

 そのオネ氏が2004年に他界したことで、0388は長くイギリスのポルシェ・スペシャリスト、オートファームによって所有、そして2021年には再びメカニカルなパートのレストアが実施され、今回のオークションへと出品されることになった。

予想通りの6000万円弱で落札

 参考までにRMサザビーズによる予想落札価格は、32万5000~37万5000ポンド(邦貨換算約5530万円~6380万円)。最終的には34万2500ポンド(邦貨換算約5820万円)での落札となった。

 1580台の911カレラRS 2.7のうち、1308台を占めるというツーリング仕様。積極的にオンロードやサーキットイベントに持ち込むには、これ以上に趣味性の強いモデルはそうはないだろう。

 現行モデルの911に「T」グレードを追加設定し、GT3にも「ツーリング パッケージ」を用意したポルシェ自身も、それは何よりも良く分かっているところなのである。

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