現在の新車同様のコンディションを取り戻している
今回RMサザビーズのロンドン・オークションに、「グランツーリスモ・コレクション」の一台として出品されたLP500S(LP5000S)は、カウンタックとしてはLP400から数えて3世代目のモデルと考えられるモデルだ。デビューは1982年のことで、それから1985年までの間に321台が生産されたとRMサザビーズは語る。
現在の走行距離は5万2432km。メカニズム面でのもっとも大きな特徴はやはりリヤミッドのV型12気筒エンジンで、LP5000Sからは排気量が5Lに拡大され、前作のLP400Sで絞り込まれていたパワーも、LP400同様375psを挽回している。最高出力、最大トルクともにその発生回転数が低くなり、扱いやすさが高まったのも大きな魅力だろう。
12675のシャシーナンバーとエンジンナンバーを持つこのLP5000Sは、1984年にサンタアガタ・ボロネーゼの本社工場から出荷され、同年2月にはドイツのハノーバーで登録。1988年にファーストオーナーが亡くなった時点で約5万kmの走行距離を刻んでいたが、その後に娘の名義となってからはほとんど走行することなく倉庫に眠っていたという。
グランツーリスモ・コレクションがそれを入手したのは2015年12月に開催されたオークションでのこと。2018年には本格的なレストアが始まり、現在の新車同様のコンディションを取り戻すに至ったという。
RMサザビーズはこのカウンタックLP5000Sに、38万~50万ポンド(邦貨換算約6300万円~8280万円)のエスティメートを提示していたが、最終的な落札価格はエスティメートの上限に近い47万7500ポンド(邦貨換算約7900万円)という結果だった。わずかにふたりのオーナー、マッチングナンバーのエンジン、そして見事な内外装のカラーコンビネーションと、そのコンディション。それらすべてが高く評価された結果が、この落札価格には表れている。