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人気のフェラーリ「288GTO」が落札せず! 5億円オーバーの相場はもはや過去の話!? 跳ね馬バブルはピークを過ぎたのか

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

出品車のファーストオーナーは医師が共同所有していた

 ここで紹介するシャシーナンバー56339の288GTOは、世界中に話題を轟かせたRMサザビーズのロンドン・オークション内で開催された「グランツーリスモ・コレクション」に出品されたもの。

 1985年にエアコンやパワーウインドウなどを装備して、ニューヨークとオーストリアのザルツブルグに住むふたりの医師が、共同でそれを所有していたという。その後、オランダのオーナーの手にわたり、2010年3月にはフェラーリ・クラシケの認証を得る。

 同年に3番目となるオーナーがそれを手にするが、2012年ごろにはグランツーリスモ・コレクションに、それは収められることになったとされる。もちろんコレクションに収蔵される前には完璧な整備が行われ、収蔵後も2017年には約1万4000ポンド(約238万円)、2022年には4792ポンド(約82万円)のサービスを受けたドキュメントも残されている。

 この56399の288GTOにはフェラーリ・クラシケのレッドブック、オーナーズ・マニュアル、セール・アンド・サービス・オーガニゼーション・ブック・ツールキット、スペースセーバー・スペアホイール等々、新車時に備わっていたものはすべて揃っていたのだが、RMサザビーズの提示した325万~400万ポンド(邦貨換算約5億5250万~6億8000万円)という予想落札価格への反応は、やはり厳しいものがあったようだ。

 56339は現在も同社で、価格応談のままセールスが継続されている。生産台数わずかに272台、走行距離も2万3609kmとコレクションには十分な価値のあるモデルだけに、やはりフェラーリ・バブルもひとつのピークを迎えたということなのだろうか。

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