トレイルを登りきると絶景が待っていた
ぼくはストーニー・クリーク・キャンプグラウンドに2泊することにし、あえてテントを張って寝ることにした。素晴らしい環境に刺激され、より自然のなかに溶け込みたい気持ちになったのだ。枯れ枝や巨大な松ぼっくりを集めて焚き火をし、ヘッドライトの灯りでワインをちびちび飲みながら読書を楽しむ。これぞ放浪キャンプのスタイルだ。
翌日は、キャンプサイトから延びているジェニー・エリス・レイク・トレイルを歩くことにした。片道7マイルというから約11km。朝イチに出れば往復できない距離ではない。ところが、スタート直後から急な上り坂が続く。甘く考えてストックも置いてきてしまった。
中級者以上向けの峠越えに息が切れる。しかし、2時間ほど頑張った甲斐があり、遠くに雪をいただくシエラネバダ山脈を眺望することができた。湖にはたどり着かなかったが、ここをピークと自分で決めて引き返すことにした。
次に目指すはサンフランシスコ
キャンプホストのタイラーとジニーにもよくしてもらい、3日目の早朝にチェックアウト。アゼリア・キャンプグラウンドを目指す。ここでも運よく空いていたサイトをゲットして、もう1泊することができた。結局、3泊4日のセコイア&キングスキャニオン国立公園滞在となった。
この後、サンフランシスコで、2008年の「放浪記第2章」でバナゴン・ウェストファリア購入を手伝ってくれたフィリピン系アメリカ人、ベンと14年ぶりに再会する約束になっている。考えてみれば、すでに約2週間、クルマの中で寝起きしている。鏡を見たらひどい有様だ。ベンに会う前にモーテルに1泊してしっかりとシャワーを浴びてヒゲを剃って、準備を整えることにした。
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