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「ロードローラー」の模型の縮尺はどうして1/50? 大人がハマる「建機モデル」のディープな世界へようこそ

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

最新作「SAKAI R2-4マカダムローラー」1/50モデル

 こちらで紹介するのは、2022年10月の全日本模型ホビーショーで発表された「建機のミニカー」の最新作で、「MONO×ケンクラフト」という模型ブランドからリリースされた、酒井重工業製の「SAKAI R2-4マカダムローラー」のミニカーだ。マカダムローラーとは、一般的に「ロードローラー」と総称される舗装用締固め機械のひとつで、前2輪、後2輪のタイプがそう呼ばれる。実機を製造している酒井重工業とは、1918年(大正7年)に自動車、内燃機関車/蒸気機関車の部品製造ならびに修理を目的として創立され、ロードローラの製造を開始したのは1929年(昭和4年)という老舗だ。

 モデルのスケールは建機モデルのスタンダードである1/50。建機モデルだけが一般的なミニカーと異なる縮尺を採用しているのは、建築の設計図が1/50、1/100、1/200といったスケールで引かれるため、作業現場に対する実機のサイズ感が把握しやすいという実用的な理由からと言われる。

実在する企業のバリエーションも忠実に再現

 モデルはボディが亜鉛合金のダイキャストで、手すりやミラーなどのディテールにはABS樹脂、さらに前後のローラーはアルミ無垢材の削り出しパーツが奢られるなど、適材適所で素材を使い分けた贅沢なマルチマテリアル・モデルとなっている。また、シャシー下面の中折部分のダンパーシリンダーは金属パーツを用いて再現され、リアルに可動するギミックはこのモデルの見どころだ。

 ボディカラーは一般的な黄色のほか、本車を運用する実在の企業、大成建設グループの大成ロテックのホワイト、鹿島建設の子会社・鹿島道路が運用するグリーンのバリエーションも用意され、それぞれのモデルのディテールの違いも正確に再現されている。定価は本体3万円+消費税で発売は2023年1月予定とのこと。これを機に、奥深い建機模型の世界の扉を開けてみてはいかがだろうか。

■協力:プラッツ
TEL:054-345-2047
http://www.platz-hobby.com

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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