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長年抱いていた「サーキットの狼」の謎が解明! ロータス「ヨーロッパ」で風吹裕矢と同じことができるのか調査しました

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

謎1:フロントスタビライザーは本当に外れる?

 まずWさんに質問してみたのは、「ヨーロッパのスタビライザーは本当に外れるのか?」というお馴染みの疑問である。ヨーロッパは路面から12cmのところに車体の操安性をよくするためのフロントスタビライザーがあり、風吹のヨーロッパは激しいバトル中にそれをぶつけて、外れてしまうシーンがある。

 漫画『サーキットの狼』では「しまったーっ、スタビライザーをうったか!?」というセリフとともにハンドリングが悪くなるシーンが展開されるわけだが、Wさんによるとスタビライザーをぶつけると、外れるよりも折れる可能性が高いという。実際にバイパスを走っていたときに路面に落ちていたレンガにスタビライザーがヒットしたことがあり、取り付け部が折れてしまったそうだ。

謎2:助手席の人の操作でシフトチェンジやヒール&トゥできる?

 続いて伺ったのは、風吹の恋人である早瀬ミキがやってのけたように、「ヨーロッパの助手席に乗った人がシフトチェンジ/ヒール&トゥできるか?」ということ。

「できます! というか実際にやっていました。いまでも長距離ドライブのときとかに、シフトチェンジするのが面倒だなぁ~と思ったときに妻にお願いしたりしています。ただ、2! 3! といったような掛け声が必要ですね。成功の条件は、助手席の補助者がMT使いである、ドライバーにある程度のロータスを操るドライビングスキル、経験、余裕があるということです」

 と体験談を語ってくれた。ただし、これで速く走れるかどうかは謎のままである。

謎3:華麗すぎるコーナリングテクは実現可能?

 スピンターン、三回転スピンターン、パワースライド、ドリフト、四輪ドリフト、ブレーキングドリフト、逆ドリフト、慣性ドリフトといったコーナリングのテクニックについては「グリップが低い昔のタイヤであればイケるかも……」とのこと。

 幻の多角形コーナリングについては「かつてF1グランプリで活躍していたゲルハルト・ベルガーがやっていましたよ」とのことで調べてみたら、苦手としている低速コーナーを攻略するため、1991年に、ひとつのタイトコーナーをいくつかに分けて考えて攻略を試みる多角形コーナリングにトライ。コーナーが多いハンガロリンクで予選初日にアイルトン・セナを凌駕し、暫定ポールポジションを獲得したことがあったらしい。ということで、実際に可能だと考えているそうだ。

 念のために補足しておくと、幻の多角形コーナリングを風吹が習得するのは、ロータス・ヨーロッパを卒業してからのことである。

謎4:横転しても生きていられる?

 最後に、横転して逆さまになってしまっても大丈夫か? と質問をしてみた。

「コテン、という感じで、ゆっくり横転すれば乗員が無事だと思いますが、サーキットの狼で描かれていたように、公道グランプリのゴール直前のような4速全開状態でロータス・ヨーロッパがひっくり返るとキャビンがつぶれると思います」

 とのことだった(そりゃ、そうだ!)。

* * *

 ファンベルトの代わりに応急処置としてパンストって使えるのか? みたいなことも古くから言われているが、それも空冷VWくらいの非力なエンジンならできなくもない、といった程度で、やはり基本的に不可能なこと。今でも語られることがある自動車関連の伝説のような逸話の中には、やはり、できることと、できないものが混在しているのであった。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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