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全身サビだらけのポルシェはアートでした。凡才には理解不能なダニエル・アーシャム作「Bonsai(ボンサイ)356」とは?

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TEXT: iconic  PHOTO: Porsche AG.

藍染やデニムが用いられたインテリア

 インテリアはファッションデザイナーの小木“Poggy”基史氏と藤原裕氏とコラボレーションし、日本の伝統的なファブリックで構成している。運転席と助手席、トランクカバーは藍染のパッチワークを施したファブリックを採用。ドアトリムやシートの縁には藍染の綿布が縫い付けられている。さらに日本製のデニム素材でルーフが覆われている。

 これらのファブリックは伝統的というだけでなく、使いこむほどに味わい深くなる素材がセレクトされており、コンセプトである「侘び寂び」をさらに高めているという。

 さらに、トランクルームに収納されたスペアタイヤの下には畳が敷かれている。この通常は居住空間の床材として用いられる畳を用いることで、日本建築との結びつきを表し、お客様を迎えいれる温かさ(おもてなし)を表現するディテールとなっている。

「Bonsai 356」の展示は、渋谷パルコの1F公園通り側入り口前で11月18日(金)から20日(日)の11時から21時(雨天中止)。その後は、ポルシェスタジオ銀座で11月21日(月)から27日(日)、ポルシェスタジオ日本橋で11月28日(月)から12月4日(日)の予定となっている。

 また、期間中にはダニエル・アーシャム氏が来日。専用アプリなどから無料で視聴することができるPodcastのポルシェジャパンオリジナル企画「Bucket List -Driven by Dreams-」(11月23日、30日公開)に出演することが決定している。

「Bucket List -Driven by Dreams-」は夢を叶えつつもさらなる夢を追い続けるアーティスト、アスリート、起業家などをゲストに迎え、夢にまつわるエピソードや思いなどをホストと語り合う約30分のPodcastプログラムだ。

AMWのミカタ
 日本では古来より「新品」よりも「使い込まれた」ものの方に「美」を見出してきた。「古美(ふるび)」という言葉もあり、新しいものをあえて使い込んだように仕上げることを「古美をかける」ともいう。現在ではクルマのカスタムの手法のひとつとして「エイジング」があるが、最近はラッピングやペイントで表現しているケースが多い。その点、「Bonsai 356」は数年かけてリアルな錆で文字通り「侘び寂び」を表現している点に好感が持てる。茶器を使い込むことを「育てる」ともいうが、まさしく「Bonsai 356」は育てて愛でる作品と言えるだろう。

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