ウラカンのオープンモデル
伝説のブローカーと美女のセールスレディが、毎回注目の中古車をピックアップ。ふたりのトークを読めば、現在の中古車相場や購入ポイント、クルマの来歴までわかります。第6回目は、ランボルギーニ「ウラカン」のオープンモデルとなる「ウラカンLP610-4スパイダー」を紹介します。
V10サウンドをダイレクトに聴けるスパイダー
東京ベイエリアに一軒のガレージがひっそりと建っている。このガレージの主は、かつて伝説のスーパーカーディーラーと呼ばれたブローカー。若き日には首都高アタックやゼロヨンで鳴らした猛者だったという噂もあるようだ。
そんな彼の部下は、うら若きナゾの美女。彼女はクルマについてはまったくの素人ながら、ウンチクを垂れるばかりの社長の代わりに、天才的な営業センスと昭和&平成スタイルのトークで次々と入庫するクルマを売りさばいていく。
さて今夜はどんなスーパーカー、あるいはプレミアムカーが入庫しているのだろうか……?
美女「レインボーブリッジのオープンドライブ、もうメッチャ良かったですよ~! ランボのオープンって、もう最高っ!」
社長「お~、車両引き取りオツカレ。それにしても、お客さまのところから帰ってきた早々うるさいな~、ウラカン・スパイダー、そんなに良かったか?」
美女「ソフトトップをたたんだ姿はもちろん、クローズドでもカッコいいし、なんたってオープンで走れば、自然吸気のV10サウンドが障害物ナシで飛び込んでくるんですもの」
社長「ほう、だんだんクルマの善し悪しが分かるようになってきたじゃないか」
美女「そりゃ、このお店でミッチリ鍛えられてますからね~。それに、社長がぜんぜんクルマ売ってきてくれないから、アタシが頑張ってるんじゃないですか(怒)」
社長「悪かったね、ふがいない社長で……」
クーペよりスパイダーの方がお高い
美女「そんなことより、このウラカン スパイダーは、先日取り引きしたウラカンLP610-4のオープン版ってことですよね?」
社長「そう、ソフトトップ式の電動オープンであること以外のメカニズムや装備は、基本クーペと同じだな」
美女「じゃあ、速さについても前期のウラカンと大きくは変わらないってことですね。」
社長「2015年夏にデビューした時に発表されたスペックによると、パワーは前期型ウラカンのスタンダード4WD版に共通する610ps。オープン化でウェイトが120kg重くなっちゃった分、0-100km/h加速タイムは0.2秒落ちの3.4秒になったけど、スペック上の最高速は325km/hだから、そこはクーペと同じだな」
美女「そうなんですよ! 体感的な速さや高速コーナーでの安定感は、この間のクーペと変わらなかったですね(ドヤ顔)」
社長「どうせキミのことだから、首都高で思いっきりアクセル踏み込んじゃったんんだろ?」
美女「あ、バレてました……? そんなことより社長、このウラカン スパイダーはいくらで売ってきたらいいですか?」
社長「この間ウラカン クーペを取り扱ったときにも話したように、スタンダード版クーペは2300万円から2600万円くらいがボリュームゾーンで、スパイダーならプラス200〜300万円ってところで売りさばいてきてくれる?」
美女「なんだか最近、スーパーカーの価格ジワジワ上がってません?」
社長「たしかにそうだな。近ごろ噂になってるリフトアップ版“ステラート”を最後に、ウラカン シリーズは生産終了。しかも、それがハイブリッドじゃない自然吸気ランボの最終モデルになるなんて見方もあるようだから、とくにウラカンについては今後も大きく下がることはなさそうな気もするんだよ」
美女「じゃあアタシ、自然吸気ウラカン時代の最後の最後に、最高のドライブ体験を味わったワケですね」
社長「おいおい、今度という今度は、俺にもテストドライブさせてくれよな~」
美女「え……? 引き取ってきたばかりといっても、次のお客さまが決まってないなんて誰も言ってませんよ……(ニヤリ)」
社長「って、ちょ、待てよぉ(焦)」
美女「それって、モノマネ芸人の劣化版キムタクですか?」