今のうちに乗っておきたい、クラウンらしいクラウンとは
いよいよ販売がスタートし、試乗記なども続々届いているトヨタの新型「クラウン クロスオーバー」。今までのクラウンのイメージを一変させるクロスオーバースタイルや、横置きエンジンの前輪駆動レイアウト、全車4WDの電動車など、大きく変革を迎えたモデルとなっている。
そんな新型の評価は今後ユーザーに車両が納車されるにつれてハッキリしていくと思うが、今、中古車でクラウンを購入するとしたら、「らしさ」が味わえるモデルはどの世代になるのか、独断と偏見でピックアップしてみた。
なお、あまりにクラシックなモデルはそもそも流通台数が極端に少ないため、今回は比較的買いやすい世代のモデルからピックアップしている点はご理解いただけると幸いだ。
8代目クラウン:一度は味わいたいペリメーターフレーム
130系とも呼ばれる8代目クラウンは、初代から続いた伝統のペリメーターフレームを採用した最後のクラウンとなっている。そのため、クラウンの伝統を重んじるのであれば一度は乗っておきたい世代と言えるだろう。
さすがに1987年デビューということもあって旧車の域に達してはいるものの、意外にも中古車のタマ数は多めなので、比較的入手しやすいモデルとなっている。
また派生車種であるクラウンワゴンについては1999年まで継続生産がなされていたため、比較的高年式の車両が存在する点も見逃せないポイントだ。
11代目クラウン:セダンらしい凸型スタイルに最後の直6搭載
クラウンが変革を迎えたタイミングはいくつかあるが、現行モデルが登場する以前の変革といえば、2003年に「ゼロクラウン」の愛称で登場した12代目のタイミングだろう。
12代目クラウンはプラットフォームやパワートレインを一新し、エンジンはV6になり、スタイルも欧州のライバルセダンを意識してスポーティな雰囲気を持つものとなった。
つまり裏を返せば、その一世代前の11代目クラウン(1999年デビュー)こそが、現在のところ最後の直6エンジンを搭載したクラウンであり、凸型のセダンらしいスタイルを持った最後の世代ということが言えるのだ。
ちなみにこの世代のクラウンもステーションワゴン版のクラウンエステートのみ2007年まで生産されており、最後の直6を高年式で味わいたいならエステートも狙い目となる。
14代目クラウン:超大型グリルを備えつつ「らしい」走り味を継承
V6エンジンを搭載した新世代クラウンの中でも、2012年末デビューの14代目モデルは超大型のフロントグリルを備えるアグレッシブなデザインを採用した初めての世代となった。
今でこそ大型グリルを持つ車両は他メーカー含め珍しくない存在となっているが、当時は賛否両論で、どちらかというと否定的な意見の方が多かったほど。しかし今では違和感なく街中に溶け込むデザインとなったのは、この14代目クラウンが果たした役割も大きかったと言えるだろう。
ハイブリッドモデルにはクラウンとしては久方ぶりの4気筒エンジンが搭載されながらも、クラウンらしい走り味とクラウンらしからぬ燃費性能(23.2km/L)を実現している点も現行のクロスオーバーにも通じる「らしさ」を感じることができそうだ。
またクラウンの上級派生車種である「クラウンマジェスタ」が設定された最後の世代ということもあるため、こちらも今後再評価されることは間違いないクラウンとなりそうだ。