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フェラーリ「F40」やポルシェ「959」を時代遅れにしたブガッティ「EB110」とは? 現在の相場は2億円以上から

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

再評価されているEB110

 2019年夏、現在の「ブガッティ・オトモビル(Bugatti Automobiles)S.A.S」社から限定モデルの「チェントディエチ」が発表されたあたりから、そのオリジンたるブガッティ「EB110」の評価も急上昇しているようだ。

 クラシックカー/コレクターズカーのオークションハウスとしては双璧を成すRMサザビーズとボナムズ・オークションが、2022年2月上旬にパリ市内で相次いでおこなったオークションでは、ともに約180万ユーロ、日本円に換算すると約2億3000万円という高額で落札されている。

 またEB110SSについては、2022今年8月の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」公式オークションにて316万7500ドルで落札されるなど、少なくとも3億円以上がマーケット相場として成立しているようだ。

 今回RMサザビーズ「LONDON」オークションに出品された2台のEB110は、「グランツーリスモ・コレクション」の名のもと、フェラーリのスペチアーレ各モデルや1980年代のグループBラリーマシンなどを保有している、プライベートコレクターから出品されたものという。

「ブルー・ブガッティ」のEB110GTは、1993年4月にモデナ近郊カンポ・ガリアーノ工場からラインオフ。当初はサウジアラビアに輸出された個体とのこと。いっぽう「ビアンコ・モナコ(白)」のEB110SSは1996年4月に完成し、モナコで新車登録されたという記録が残る。いずれも2012年3月に現在のオーナーが入手し、グランツーリスモ・コレクションに加わることになった。

推定落札価格には届かず

 そして世界のコレクター注目のもと、11月9日に行われた競売では、EB110GTは141万1250ポンド、日本円に換算すれば約2億3400万円で落札。150万~200万ポンドというエスティメート(推定落札価格)には届かなかったとはいえ、国際マーケットにおけるこのモデルの堅調ぶりをうかがわせた。

 ただもう1台のEB110SSは、わずか2台のみが作られたとされるビアンコ・モナコのSSということで、250万~300万ポンド(邦貨換算約4億1500万円~約5億円)というかなり高めのエスティメートが設定されていたものの、グランツーリスモ・コレクション側の希望していた最低落札価格には至らなかったようで、現在でもRMサザビーズ欧州本社の営業部門によって販売が継続されているとのことである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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