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運転操作しにくくなるのになぜ? サーキット走行派がハンドル径を小さくするのには理由がありました

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • 小径ハンドル操作のイメージ

  • ワインディング走行イメージ
  • 小径ハンドル操作のイメージ

昔から同じブランドを使い続けるという人も多い

 最近のスポーツカーは純正ステアリングのデザインが秀逸で、ひと昔前に比べれば社外品に交換する人が減ったのは確か。とはいえナルディやモモといったブランドごとに熱烈なファンがおり、愛車を乗り換えても同じステアリングを使い続ける人も少なくない。

 スポークの本数やグリップの形状や表皮の素材など、操作性を高めるため数々の工夫が盛り込まれているが、ほとんどの社外ステアリングに共通するのは径の小ささ。360mmや350mmから330mmあたりまでが一般的で、290mmなんて極小のサイズもたまに見かける。いっぽうトラックをはじめとする大型車は、乗用車より大きいステアリングがほとんど。スポーツ系が小径を採用する理由は何だろうか。

スポーツ走行時に少ない舵角で済む

 最大のメリットは小さな操作でタイヤの角度が変わる、つまり純正よりクイックにクルマを動かせることだ。径が小さくなればステアリングのギヤ比が変わるのと同じで、左右の切り返しや繊細な舵角の調整が必要なスポーツ走行では、大径よりも小径のほうが明らかに適しているというワケだ。

 もうひとつ機能とは関係ない部分かもしれないが、スポーツカーはタイトな作りのコクピットが多く、小径には乗り降りしやすいという利点もある。

小径化によりハンドル操作はどうしても重くなる

 しかし小さければ小さいほど良いと単純な話ではなく、ステアリングの小径化にはデメリットも存在するのだ。まずはステアリングが重くなり操作に力が必要なこと。今はパワステ付きが当たり前であり平気と思うかもしれないが、意外なほど影響があり太いタイヤを履けばなおさらだ。

ワインディング走行イメージ

 また車種やドラビングのスタイルによっては、クイックになり過ぎて操作が難しくなる可能性も。高速道路を長時間に渡って運転するような大型の商用車は、疲労を抑えながらリラックスして運転できることが重要で、小径ステアリングの特性とはどう考えても相性がよくない。

* * *

 ではスポーツカーなら小さいほど有利なのか。それも「過ぎたるは及ばざるが如し」という格言がよく当てはまり、どんなに小さくても330mmくらいにとどめておくのが無難だ。

 以前290mmのステアリングを装着したクルマを運転したことがあり、サーキットでは切り過ぎや戻し過ぎが多発し修正舵が増えてしまい、街乗りでは交差点を曲がるときや車庫入れでステアリングの重さを痛感。ドライバーの好みによる部分も大きいとはいえ、サーキット中心であろうとストリート中心であろうと、最小でも330mm程度にとどめておくのが無難だろう。

  • ワインディング走行イメージ
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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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