短時間での勝敗決定とミスはすべて自己責任という潔さが感性に合致
愛車を購入したのは地元三重県の「クルウチ」。ドラッグレース歴20年以上の同ショップで買ったことが、当時コスプレイヤーだったまるるんさんの運命を変えていくことに。
「GT-Rを買ってすぐにドラッグレースに同行したのがすべての始まり。イベント当日、ショップから『出てみない?』と言われて、ヘルメットにグローブを手渡され、急遽参加することに。ドラッグレースはわずか400mの争いで、少しのミスで勝敗が決まりますし、負けはすべてが自己責任。誰のせいにもできないのが負けず嫌いな性格には合っていて、1回でハマりました。馬力で勝るマシンに腕で勝ったときが一番の快感ですね」
以後、ドラッグレースにズブズブとハマっていくまるるんさんだが、青い子のチューニング、カスタマイズに対しては不文律がある。
「ノーマルのスタイルが好きなので、外観、内装とも限りなくオリジナル状態をキープするのが基本。エンジンも手を加えています(名機RB26DETTはタービン交換で約500ps)けど、ボンネットを開けて『やっぱりかなり手を入れてるんだ』と言われるのが嫌なので、ラジエターやホース類も黒く塗ったりと、可能な限り見た目にイジっていない風に見えるカスタムを心がけています」
愛車を壊さず長く楽しむため参戦クラスにもこだわる
タイヤはレースでしっかりトラクションを掛けるためには、インチダウンするほうがいいのだが、見た目ノーマルのスタイルを崩したくない理由から純正ホイールのまま。これだけは譲れないそうだ。ちなみに写真の純正ホイールは「展示するなら傷だらけはみっともない」と、デッドストックの美品を譲り受けたそうだ。
また、上のクラスにステップアップせず、オープン12クラスに参戦を続けるのは、街乗りとの両立も考え、なるべく愛車を壊さずに長くドラッグレース楽しみたいから。それでも1年に1回はリヤデフに不具合が出るそうで、さらに最近は純正部品の供給が不安定であることから、「これからも一緒に歩んでいくため」に2022年シーズンでR34による参戦を終了。2023年からは新しいマシン(新型フェアレディZ)で挑戦するという。
レース参戦は終えるが、まるるんさんと青い子との密月関係は不変。温存することなくともに過ごし、変わらぬ愛を注ぎ続けることだろう。恋愛は惚れたほうが負けとよく言われるが、他人から何と言われようと本人が幸せならそれが一番である。