いま新車で買える唯一の軽オープンスポーツ

　モータースポーツなどから得たノウハウを注ぎ込み、ベース車の魅力をさらに引き出しているのがワークスコンプリートカー。日産の「NISMO」、ホンダの「Modulo X」など多彩だが、そのなかでも幅広い車種を設定して人気なのがトヨタの「GR」シリースだ。

　GRのラインアップは3種類。非日常的な華やかさをまとう「GR SPORT」、こだわりのチューニングで走りの味を追求した「GR」、GRの頂点に立つクルマ「GRMN」とホームページに記載がある。今回、試乗にお借りした「ダイハツ・コペン」は、GR SPORTとなり、コペンのもつ素性の良さをさらに引き出した仕様と言っていい。

　コペンGR SPORTはある意味で異色の存在だ。GRシリーズで初の軽自動車、ダイハツ車をTOYOTA GAZOO Racingが味付けするという、完全子会社とはいえメーカーの枠を超えて誕生したクルマなのだ。

　いまでは新車で買える唯一の軽オープンスポーツ。クルマ好きから注目される貴重な存在だろう。そこで、カスタムベースとしてはどうか？　さまざまな視点でチェックしてみたい。

空力を考慮した外観などこだわり満載

　ベースとなっているのは、3種類あるコペンのなかでも最初に登場した「ローブ」だ。個人的には初代をオマージュした丸目ライトの「セロ」をベースにしたGR SPORTも見てみたいところだが、スポーティさで言えばやはりローブになるのだろう。

　専用エアロを採用し、ほかのGR SPORTと同様の雰囲気に仕立てられている。ベースのローブに対してスポーティさがグッと高まっているのはさすがだ。ローブの丸みを感じさせるデザインも魅力的だが、走りにこだわるカッコいい雰囲気が好みなら、GR SPORT一択だ。

　社外フロントバンパーへの交換などもカッコよくなるかもしれないが、ここはあえてカーボン製のフロントリップやドアミラーカバーなどをプラスして、さりげないスタイリッシュさを追求するのがいいのではないだろうか。

　GR SPORT専用カラーのBBSホイールも、外観を引き締めてくれるアイテム。ローブ／エクスプレイ／セロにオプション設定されているシルバーとは違うマットグレイとなる。これはベースモデルに流用したいと思う人も多いだろう。ただ、市販車の悲しい運命である車体内側に少々引っ込んでいるので、スペーサーなどでツライチ気味にセットしてあげれば、よりカッコよくなること間違いなしだ。

　リヤビューは、ローブの純正テールランプの三角のとんがり部分がなくなり、スッキリとした印象に。バンパー下部はブラック部分がバンパーの幅いっぱいまで広がっている。これもスポーティではあるが、フィルムなどで上段部分をボディ同色とし、下部のブラックとの2トーンにしてみたり、ブラック部分をすべてカーボン柄のシートを貼ってみるなどで、こちらも大幅なイメージチェンジができるだろう。純正の雰囲気を残したまま、カスタムしたい場合にオススメだ。

　マフラーはベース車同様、スポーティな左右出し。しかし、個人的には出口が下を向いているのは……。社外品でも人気のあるデザインなのだが、やはり後方へまっすぐ伸びている方がカッコよく感じてしまう。オプション品でもHKSとコラボレーションしたタイプがあるので、そちらをチョイスするのもアリだろう。

スポーティさ際立つインテリアはどうする？

　インテリアは、ブラック基調のスポーティさが際立つ雰囲気。グレー×ブラックのレカロシートにはGRのロゴが刻まれている。ホールド感も高く、交換する必要はないと思わせるほど。ただし、これは個人的なことなのだが、筆者は身長180cmで、座高も高めな日本人体型。オープン状態になると頭が出てしまう。座面も高く座り心地もいいのだが、少し薄めていただくか、ローマウントシートポジションのシートレールをオプション設定していただけると非常にありがたいところだ。身長ばかりは縮めることはできないので……。

　そのほか、GRのロゴ入りメーターやMOMOのステアリング、カーボン柄のインパネが非常にスポーティ。センタークラスターやドアグリップはピアノブラック調加飾となっている。個人的には、このピアノブラックはGR SPORT専用装備品ではあるが、ほかのパネル同様にカーボン調シートを貼ることで統一感をアップできるのではなかろうか。