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「ノアヴォク」はいつから「オラ顔」に? ファンタジー系だった初代がメンチ切った顔つきになった分岐点とは

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎七生人

第4世代となったトヨタ「ノア」&「ヴォクシー」

 筆者は、それが業界用語、通称だと理解したうえでも「短縮語ないしは略語」は聞くとムズがゆくてニガテである。クルマ関係でいうと古くは「セドグロ」(セドリック/グロリア)、「レビトレ」(レビン/トレノ)、「タコII」(ターセル/コルサ/カローラII)など。それと「スポコン」(スポーツコンパクト)も初めて聞いた時には気絶しそうになった。

「ノアヴォク」も、「ヴォクシー」のわずか「シ」と長音符の「ー」の事実上1.5文字程度を省略しただけの略語だが、同じトヨタの上級ミニバンの「アルヴェル」(アルファード/ヴェルファイア)同様にそう呼ばれる。そう呼ばれるようになったのは、2001年に、それまでの「ライトエース ノア」が「ノア」として生まれ変わり、そのタイミングで兄弟車としてヴォクシーが誕生したからだった。

初代(2001年):ファンタジーなノアとクールなヴォクシー

 もちろん兄弟車として登場した以上、ノアとヴォクシーは最初から「キャラクター分け」がなされていた。それは当時のカタログを見ても一目瞭然で、ノアはまるでファンタジーの世界といった絵本調の体裁でそこにノアと家族の写真をあてはめ、コピーも「ノアなら、かなう夢がある。」だった。対してヴォクシーはモノトーン調の仕立てで、「クールで、引き締まったボディ。エッジを効かせた、シャープで迫力あるライン。」などと、ミニバンというよりスポーティカーか何かの説明のような文面が目に入る。

 そしてスタイリングは兄弟車の作り分けの常套手段ながら、フロントのボンネット、ライト、グリル、バンパーなどが別モノとなっていて、たしかにノアは当たりのやわらかな印象だったのに対し、定規で真一文字にグリルを引いたようなヴォクシーのマスクは、キリッと精悍さを表現したデザイン。ボディ色は全7色の設定のうちの1色のみ(ノアのイエローパールマイカ、ヴォクシーのボルドーマイカ)、それぞれの専用色が与えられていた。どちらもほとんど実車を見た覚えはないが……。

2代目(2007年):「カッコいいお父さん」を強調したヴォクシー

 2007年に登場したノア/ヴォクシーの2代目も、初代の延長線上にある……そんなイメージで2車のデザインが作り分けられていた。S字のドア断面をもつ全体がやわらかなスタイルだったせいか、この世代のヴォクシーの差別化は控えめだったというべきか、2段構えのフロントのランプに初代のそれを踏襲したデザインを採用。訴求色として採用されたダークバイオレットマイカメタリックはヴォクシーのみの専用色だった。

 ちなみに1、2世代目のヴォクシーのTV-CMでは、「父になろう」「父と子の男旅」といったコピーで、太平洋から日本海へ一気に走るなど、ミニバンながら非日常的な生活感でクルマを訴求していた。しかも反町隆史、トータス松本らを「父親役」に、カッコいいお父さん像(カッコよすぎた?)を描いたものだった。たとえ反町が乗ろうとも、生活必需品に変わりはなかったが、代入法を用いて、ミニバンの運転手である世の中のお父さんに「アナタも反町になってみませんか?」とアピールしていたのだった。

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