日本のレースでも大活躍した初代M3
E30 M3はDTMだけではなく、たとえば日本でもグループAレース、全日本ツーリングカー選手権で活躍。デビューレースでは排気量規定でディビジョン2での参戦となりながら、ディビジョン1の日産「スカイラインRSターボ」や三菱「スタリオン」よりも上の順位でゴールするという速さを見せた。
その速さのせいもあって、M3を採用するレーシングチームが激増。1980年代後半から1990年代初頭のツーリングカーレースにおいて、M3はなくてはならないマシンとなっていた。
今回RMサザビーズオークションに出品されたM3は、もともとは日本で納車された個体である。ボディカラーはアルピンホワイトで、インテリアはアンスラサイトとなっている。
製造は1988年12月6日であることが判明しており、モデルイヤーは1989年。トランスミッションはゲトラグ製のレーシングパターンではなく、一般的なパターンの5速が搭載されている。
走行距離は7133kmとごく少なく、整備記録簿やオーナーズハンドブック、ブックレットを収納するビニール製カバーもきれいな状態で残っている。
というのもこの個体、近年は博物館展示車両として、静態保存されていたものなのだそうだ。そのため、公道走行をする場合には、あらためてメンテナンスをおこなう必要があるとのこと。
そういった状態でのハンマープライスは、20万7000ユーロ(邦貨換算約3000万円)となった。レーシングパターンミッションではなく、走るためにはメンテナンスが必要とはいえ、エクステリアもインテリアもコンクールコンディションといっていい個体だと、もはやこういった高値となってしまうようだ。