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ロータスを復活させた「エリーゼ」のシャシーは68キロ! 軽さこそ正義の「Mk1」はスパルタン過ぎました

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: LOTUS/原田 了

ロータスのDNAとなった「軽量こそ正義」

 エリーゼは1995年のフランクフルトショーでデビューしています。レーシングカーでも長年戦ってきたロータスだけに、スポーツカーの永遠の真理である「軽量こそ正義」が企業DNAとして根付いていたのでしょうか。最大の特徴は軽量化を徹底的に追求したことでした。軽量化の手法としては、まずはシャシーの構成が挙げられます。

 当時スーパーカーではカーボンファイバーで成形したモノコックを採用するケースも出てきていましたが、軽量コンパクトなスポーツカーにおいてはコストも考えておかなくてはなりません。そこでロータスが考え出したのがアルミ合金製のパーツを接着剤で接合して組み立てたバスタブ形状のフレームに、FRP製の外装パネルを組み付けたボディの構成でした。

シャシー単体重量は68kg

 先に紹介したエリートではFRPのバスタブを鋼管で補強したフレームを採用した経験もありましたが、よりハイパワーを生み出すエンジンや進化したタイヤなどを考えるなら、もう少し剛性を挙げておきたいところです。そこでアルミ製のモノコックとなるのですが、通常ならパネルを折り曲げてツインチューブを成形し、リベットを使って接合します。

 しかし近代のロードカーとしてはスペース効率も考えておく必要があります。そこでロータスではアルミの押し出し材で基本骨格を構成し、それらを接着剤で接合する方法をとったのです。結果的にシャシー単体で68kgに収まり、軽量化に大きく寄与しました。

 2001年には対衝突の車両規制に対応するためにモデルチェンジを経てMk2(あるいはシリーズ2)に移行。その際に少し重くなってしまいましたが、エアコンやパワーステアリングなどが省略されていたMk1(あるいはシリーズ1)では車両重量は690kgに抑えられていました。軽量こそ正義。ぜひとも見習いたいものです。

 エリーゼのもうひとつの特徴は、さまざまなバリエーションが存在していたことです。国内に正規に輸入されたモデルとしては、Mk1(あるいはシリーズ1)では当初はスタンダードモデルで、ローバー社から提供されていた1796cc(ボア×ストローク=80.0mmφ×89.3mm)直4ツインカム/最高出力は120psのKシリーズ・ユニットを搭載した111のみでした。

軽量を貫いたMk1こそロータスの真骨頂

 1998年にKシリーズにVVCが組み込まれた最高出力145psユニットが搭載された111Sが追加されています。また派生モデルの340Rや高性能なクーペバーションとしてのエキシージもリリースされています。2001年にはMk2(あるいはシリーズ2)に移行し、さらに2010年にはマイナーチェンジを受けてMk3(あるいはシリーズ3)に移行していますが、そのいずれにもさまざまなバリエーションが登場しています。

 ただし「軽量こそ正義」を貫いていたという点では、最初に登場したMk1(あるいはシリーズ1)の初期ロットのモデル(以後のモデルではスチール製に置き換えられるリヤのハブキャリアやブレーキローターにアルミ製の軽量なパーツが使用されていた)に勝るものはありませんでした。

 ただオーバー5LのV12が搭載されているような“スーパーカー”とは異なりエンジンは直4で、アンダーパワーでも十分なパフォーマンスを示していたのはすべて「軽量こそ正義」を実践していたからでしょう。経営体制が変わろうともロータスのDNAは継承されています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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