ネオクラ国産スポーツモデルの代表格「R34GT-R」
日本を代表するスポーツカーであり、第2世代GT-Rの最終型でもあるBNR34。代名詞ともいえる名機RB26DETTを搭載し、1999~2002年に約1万1000台が生産されていました。販売が終了してから早くも20年という歳月が過ぎており、普通のクルマであれば中古車の価格は下落しているはず。しかし、インターネットで検索すると走行距離が15万km近くても1200万円オーバーは当たり前となり、3000万円どころか「VスペックIIニュル」などの限定車は5000万円を超えるケースも珍しくありません。
後継モデルはスカイラインの名が消滅したことも高騰の要因
1990~2000年代の国産スポーツカーは軒並み価格が高騰しているが、なかでもBNR34のスカイラインGT-Rは異常ともいえる値上がりが続く。数々のレースで活躍した第2世代の最後を飾るモデルなのは確かで、第3世代のR35は「スカイライン」が外された名称を含め、従来とは違うクルマになったイメージを抱く人も少なくない。熟成された最後のスカイラインGT-Rというキーワードだけでも、プレミアが付くことは多くのクルマ好きが予想していたと思われる。
しかしながら新車だった当時の価格はベースグレードなら約500万円、もっとも高価だった限定車の「Mスペック ニュル」ですら630万円だ。なぜ第2世代の最後というだけでココまで相場が跳ね上がり、何年にもわたって下がることなく高値を維持しているのだろうか。
映画『ワイルドスピード』も大きく影響
最大の原因はアメリカの「25年ルール」だ。知ってのとおりアメリカは日本と逆の左ハンドルで、右ハンドルのクルマは輸入すら認められていない。しかし製造から25年が過ぎた「クラシックカー」は対象外で、輸入もできれば公道を走ることも可能になる。
1999年から生産が始まったBNR34に25年ルールが適用されるのは2024年と少し先だが、アメリカで販売されなかったBNR34は映画『ワイルドスピード』シリーズの影響もあり、知名度と人気は日本を凌ぐレベル。解禁になればかなりの数が海を渡るだろうと予想される。
日本での価格高騰はこの25年ルールの影響が非常に大きく、数年前から多くのバイヤーたちがBNR34を買い集め、輸出できるようになる日を今か今かと待っている状況だ。冒頭で触れたとおり元々の生産台数が多くないことに加え、事故などで失われた個体もあり流通量はさらに減少しており、需要が供給をはるかに上まわれば価格が跳ね上がるのは必然。
この先も当分は値落ちする要素は見当たらず、コンディションのいい中古車はどんどん減っていく。もはやVスペックやMスペックといった限定車だけじゃなく、ベースグレードですら気軽に手を出せる価格ではなくなった。今から購入するなら相当な覚悟が必要だろう。