アメリカで貧乏旅行の定番「フリーキャンプ」
フリーキャンプとは、その名のとおり、料金がかからない場所に泊まること。レンタルモーターホームに乗り合わせて大陸横断をする学生たちが24時間営業のウォルマートを渡り歩くというのはよく聞く話だ。
コロナ禍でウォルマートは夜11時に営業が終わるようになったが、朝6時に開店するためトイレの利用は相変わらず便利。駐車場でもフリーWi-Fiが使えるし、オーバーナイトで駐車していてもとがめられることはない。
もうひとつの選択肢は、PilotやT/Aという、トラックドライバーを相手にしたガスステーション。24時間営業で駐車場はだだっ広い。店舗によってはコインシャワーやランドリーもあるし、食事関係も充実している。トラックはじめ、オーバーナイトで駐車しているクルマも多い。
ホームセンターの駐車場に泊まってみた
ベンと別れた夜は、LOWE’S(ロウズ)というホームセンターの駐車場を利用した。営業時間はウォルマートと同じ。慣れないため6時から停めてしまい、何度もトイレのために入店したが、とくに何も言われることはなかった。ただ、深夜になっても駐車場が明るいのと、ウロウロ歩いているヤツがいるのは気になった(他人のことはいえないが)。
その後も何度かフリーキャンプを経験したが、居心地がよかったのはフリーウェイのレストエリアだ。日本のサービスエリアのように店などはないが、安全で静かなのがいい。ただし、通行量が多い幹線のフリーウェイにしかないから、チャンスは少ない。ぼくのロードマップには、各地のレストエリアにしっかり丸印がついている。
あって良かった第2の寝室
フリーキャンプで困るのは、外の光が眩しいのと、ベッドルームが外から丸見えになってしまうこと。ショッピングセンターなどでは、とくに危険を感じる。そこで役に立つのが、第2の寝室だ。外からの死角になるし、ブラインドがあるので駐車場の照明も避けられる。あってよかった、というわけだ。
サンフランシスコで初めてのフリーキャンプは、無事に朝を迎えた。何気なく駐車位置を移動して朝食を済ませ、オークランドへ向けて出発の準備を整えた。長年の知り合いが「ウチの息子を訪ねたら?」と紹介してくれたのだ。見も知らない人だが、今度こそ1泊させてもらえそうだ。これもフリーキャンプのテクニックといえるだろう。
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