エンジンオイル交換は愛車整備の基本
ディーラーやガソリンスタンドで勧められることが多いエンジンオイル交換。内燃機関の自動車を所有している人ならば1度は「オイル交換いかがですか?」と声をかけられたことがあるかと思います。「利益目的でしょ」と思ってしまうかもしれませんが、定期的なオイル交換は重要なメンテナンス事項のひとつです。オイル交換の必要性とオイルが担っている役割を、あらためて振り返ってみましょう。
オイルには重要な5つの役割がある
エンジンの血液とも言われるオイルは、さまざまな役割を担っています。その役割は大きく分けて5つ。まずイメージしやすい役割と言えば「潤滑」です。オイルによって金属の摩擦を低減し、パーツを保護してエンジントラブルや燃費性能低下を防ぎます。
次に「冷却」。エンジン内部の熱を吸収し、オーバーヒートを防いでいます。長年ポルシェ「911」が空冷エンジンを採用していましたが、空冷911のエンジンオイル量は多く、モデルにもよりますが10L程度は当たり前でした。オイルクーラーも大きかったため、エンジンオイルで冷やしていたという側面もあります。
続いて「密閉」。オイルの油膜でピストンとシリンダーの距離感を適正に保ち、エンジンが発する運動エネルギーを無駄なく逃がさないようにしています。そして「防錆」。エンジン内部の水分を取り込んでサビを防ぎます。
最後に「洗浄」です。エンジン内部の汚れを吸着し、分散させて動きを保ちます。オイルが距離とともに汚れてしまうのは、オイルに洗浄作用があるからです。
オイル交換をしないとどうなってしまうのか
エンジンに対して5つもの重要な役割があるオイル。交換しないとどうなってしまうのでしょうか? 先のオイルの役割で述べたように、オイルにはエンジンの汚れを洗浄する役割を担っています。オイルが汚れてしまうと燃料やオイルの燃えカスであるスラッジが発生。このスラッジがエンジンの可動部に付着して抵抗となり、性能低下を引き起こしてしまいます。
また、劣化が進むとオイルの粘度が落ち、潤滑や密閉といった役割を果たせなくなってしまうため、可動部の固着や焼き付きにより、エンジンが壊れてしまうのです。エンジンの性能を維持するためにも、そしてエンジンを守るためにもオイル交換は必要なのです。