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本物の「テスタロッサ」が「342.5万円」から。フェラーリも共同所有する時代へ!「RENDEZ-VOUS(ランデヴー)」の事業とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実/RENDEZ-VOUS

第一弾として、2台のクラシック・フェラーリを販売

 RENDEZ-VOUSが共同所有サービス・プロジェクトの第1弾として選んだのは、2台のクラシック・フェラーリである。

 1台目は1989年型「テスタロッサ」。「ロッソ・コルサ(赤)」のボディカラーに「ネロ(黒)」のレザーインテリアという、この時代のフェラーリではもっともポピュラーな組み合わせで、新車時はスイスに向けてデリバリーされた個体という。走行距離はまだ1万5000km台に留まり、内外装だけでなく機関系に至るまでコンディションは良好である。

 そしてもう1台は、1974年型「365GT4/BB」。58台のみ製造されたという右ハンドル仕様の365BBのひとつで、その年の7月にイギリスの超名門ディーラー「マラネッロ・コンセッショネアーズ(Maranello Concessionaires)」を介してデリバリーされた。

 ボディカラーはデリバリー時と同じ「ブル・ディーノ(Blu Dino Metallico:ディーノ・ブルー)」でリペイント。レザーインテリアは当時のオリジナルを残し、スペアタイヤ、タイヤカバー、ツールケース、納税証ディスクなどの付属品も完備。さらに新車デリバリー時の最初のライセンスプレートも当時のまま残しているという。

8人で共同所有するというスタイル

 RENDEZ-VOUSではこの2台のうち、テスタロッサを2022年11月22日から12月7日まで、代官山T-SITE1階の「クルマ・バイクコーナー」において展示。これはテスタロッサの販売プロモーションにくわえて、新たなプロジェクトの存在を知らしめることを目的としているとのことである。

 筆者は、12月1日の正午近くにフラリと訪れてみたのだが、テスタロッサという存在感バツグンのクルマを屋内の書店スペースに置くというインパクトは絶大だったようで、「クルマ・バイクコーナー」を訪れたクルマ好きたちの視線は、真っ赤なテスタロッサにくぎ付け。さらに、8分の1の顧客ひとりあたりの車両代金である「342.5万円」が掲げられたプライスボードを目ざとく見つけ、展示会場に詰めている浅岡CEOや大原壯太CTOたちRENDEZ-VOUSスタッフに、熱心に質問する様子が印象的であった。

 聞けば、展示スタートからわずか10日ほどしか経過していないにもかかわらず、テスタロッサにはすでに8名の枠のうち5名が成約に至り、365BBも2名の顧客が決まっているとのことである。

 もちろん、まったく新しいスタイルのビジネスゆえに、例えば車両保管やメンテナンスなどについて不安を覚える購入希望者もあるだろうが、こちらも浅岡代表に聞いてみたところ、提携ガレージは国内でも有数の実績を持ち、規模・内容とも申し分のないスペシャリスト。くわえて、この企画の趣旨に賛同した著名投資家たちから第三者割当増資および融資を受けたことにより、やはり顧客にとっては不安要素となりがちな資金面についても充分なバックアップ体制が整えられているという。

 これまで、ありそうでなかった新サービスが国内のクラシックカー文化にいかなる影響を及ぼしてゆくのか、興味と期待が尽きないのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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