「ウルス ペルフォルマンテ」日本デビュー
ランボルギーニの新星「ウルス ペルフォルマンテ」は、2022年8月22日にオフィシャルフォトとモデル概要に関する情報がオンラインでリリースされたのち、日本では11月11日に東京都内で開催された「ランボルギーニ・デイ・ジャパン2022」会場において、実車が初めて公開された。
パワーアップと軽量化
もともと「ペルフォルマンテ」のペットネームは、「ウラカン」AWDモデルをベースにパワーアップと軽量化を果たしたハードコアバージョンに与えられたもの。その名のとおり、ウルスでも「ペルフォマンテ」の方法論にしたがった精緻なチューニングが施されている。
まずは軽量化について。エンジンカウルや前後のホイールアーチ、リヤスポイラー、リヤディフューザーなどをカーボンファイバー製とすることで47kgの減量に成功したとのことである。加えて、オプションでルーフもカーボンファイバー製に置き換えることができるという。
ウラカン ペルフォマンテがスタンダードモデルから40kgの減量を果たしていたのに対して、ウルス ペルフォマンテでは同等以上の軽量化に成功したことになる。
また、フロントに大型エアロスプリッターを装着するなど、エアロダイナミクスにも広範囲にわたるチューニングが施され、車両全体で最大ダウンフォース量が8%向上したほか、シャシーについてもトレッドを16mm拡大し、車高を20mm低めることで、よりハイスピード志向とされている。
いっぽう、パドルシフトによるマニュアル操作も可能な8速トルクコンバータ式ATを介して4輪を駆動するパワートレーンは、V型8気筒クアッドカム4リッターに、2基のターボチャージャーを組み合わせたもの。つまり、基本的な成り立ちはスタンダードのウルスと同じなのだが、ペルフォマンテでは16psアップに相当する最高出力666ps(490kW)/6000rpm、最大トルク850Nm/2300-4500rpmを発揮することになった。
最高速は300キロオーバー
そして前述の軽量化と合わせて、3.2kg/psというクラス最上のパワーウェイトレシオを実現。0-100km/h加速はスタンダードより0.3秒速い3.3秒、最高速度は306km/hとした。また、100km/hから完全停止するまでの制動距離は32.9mと公表されている。
そのほか、ランボルギーニでは「ANIMA(アニマ)」と銘打たれたドライビングモード変換システムも見直され、デフォルトである「STRADA」モード、スロットルレスポンスが強化され、オーバーステア特性や素早いギヤシフトが楽しめる「SPORT」モード、サーキット走行にも適用できる「CORSA」モードに加えて、新たにダートトラック向けの「RALLY」モードも用意されることになった。
こうしたチューニングの積み重ねによって完成されたウルス ペルフォマンテは、発表に先立って北米コロラド州パイクスピークに持ち込まれ、有名なヒルクライムコースでのタイムアタックを敢行。パートナー企業であるピレリ社のテストドライバー、シモーネ・ファッジョーリ氏の操縦により、これまでベントレー「ベンテイガ」が保持していた量産SUV最速記録10分32秒902を超える10分32秒064で走破することに成功し、新たなパイクスピーク最速SUVとして君臨することになったのだ。
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ランボルギーニでは、同じ666psスペックのエンジンを搭載しつつも、よりラグジュアリー志向に仕立てた「ウルスS」を同年9月末に初公開。スポーツ指向を極めたペルフォルマンテとともに、二本立ての体制となった。
ほぼ時を同じくしてデビューし、一時はスーパーカーファンの話題をさらった感もあったフェラーリ「プロサングエ」に対して、もっともランボルギーニらしい方法論で立ち向かうことになったと言えるだろう。