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AT車の「スポーツモード」の正しい使い方とは? 燃費向上や渋滞回避、さらにはあおり運転の誘発を避けることができます

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • ジュークのスポーツモード

  • セレナのスポーツモードボタン
  • ジュークのスポーツモード

ワンタッチで気持ちいい走りが味わえる

 従来のオートマチックやCVTのシフトレバーに付いていることがあるのが、「スポーツモード」。シフトノブ横の下寄りに付いていることが多い。通常はD、つまりドライブに入れて走っていれば、とくに問題なく走ることができる。そしてここぞというときにスポーツモードに入れるというのが一般的な使い方というか、このボタンに対するイメージだ。

一段シフトダウンし加速力を上げる効果がある

 押すとどうなるのかといえば、ギヤなら1段落ち、CVTならプーリー比を固定して、回転数が上がる。いずれにしても、マニュアルでいうところのシフトダウンとなる。その昔、同じ場所にはO/Dボタン、つまりオーバードライブがあったが、それに似ていると言っていい。

 使い方としてはキビキビ走りたいときや一気に加速したいときなど、マニュアルトランスミッション(MT)での5速から4速へシフトダウンするような使い方だ。オーバードライブもオンオフで、たとえば5速と4速を選べたりしたが、それと同じとなる。

セレナのスポーツモードボタン

応用編としてエンジンブレーキを強める使い方も可能

 ただし、最近のトランスミッション制御はかなり賢いので、その昔話題になったファジー制御は当たり前。ボタンを押さなくてもアクセルを強く踏むだけで、不満のない走りを楽しむことはできる。そうなると、本来の目的が薄れて身も蓋もないのだが、もうひとつの使い方としてエンジンブレーキのアシストという活用方法がある。キビキビと走らない人でも、これはぜひ使ってほしい機能だ。

 とくに高速道路では、ブレーキを頻繁に踏むのは渋滞の原因になるほか、後続車に対して迷惑でもある。場合によってはあおり運転の誘発につながったりもするので、可能限り無駄踏みは避けたほうがいい。

 とはいえ、最近のATやCVTは燃費や静粛性対策でハイギヤードな設定のため、アクセルを戻してもあまりエンジンブレーキが利かない。そのためにブレーキペダルを踏んでしまうのだが、スポーツモードのボタンを押すとロー側にシフトするので、エンジンブレーキが強く利くようになる。ちょっと車間が詰まってきたな、というときに有効で、しかもブレーキランプは点灯しないので後続車の迷惑にもならない、スマートドライブを行うことができる。

* * *

 ステアリングに付いているパドルシフトも同様な効果を狙って使うことができる。スポーティな機能で、自分には関係ないと思うかもしれないが、ぜひともうまく使って、スムースに走ってみてほしい。

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