イタリアン・ホットハッチを自分だけの色に染めてみた
好み、考え、性格などが人によってそれぞれ異なることを意味する「十人十色」という言葉はクルマの世界においても真理であり、100人いれば100通りのモディファイが存在している。そのことを改めて実感させてくれたのが、2022年10月23日に長野県の女神湖の近くにある蓼科野外音楽ホールにて開催された「FIAT & ABARTHでビーナスラインを走ろうの会 秋の陣 2022」で出会った「44」さんの愛機だ。
バンパーは自分で交換して「シリーズ3.5」に
ポップでカラフルなカラーリングから「ジャニーズ系アバルト」と呼んでいるという44さんのアバルト「595コンペティツィオーネ」は2017年式で、シリーズ3として分類される個体だ。アバルト595に詳しい方は前後バンパーがシリーズ4用になっていることにすぐさま気づくと思うが、何ゆえにそうなっているのかを質問してみた。
「以前はZ33型の日産フェアレディZロードスターに乗っていたのですが、2018年にアバルト595コンペティツィオーネに買い替えました。2020年のあるとき、ふと、シリーズ3にシリーズ4用の前後バンパーを装着したいなと思い、中古品を探してみたらイギリスにありました。それをゲットしたのですが、前後バンパー自体は5万円程度だったものの、イギリスから日本までの送料が6万円もかかってしまったので、まったく安くありませんでしたね……。スモールランプはフィアット500用を入れています」
ポイントをおさえたモディファイが多数
そして44さんのお話は、核心であるポップなモディファイへと続いた。
「シリーズ3なのにシリーズ4用の前後バンパーなので、“シリーズ3.5のジャニーズ系アバルト”と呼んでいます。ホイールはTHREE HUNDREDで、それを鮮やかなピンク色で塗りました。ボディサイドを彩っているターコイズブルーっぽいカラーのストライプもTHREE HUNDREDの特注色です」
エクステリアだけが特徴なのかと思ってインテリアも拝見すると、ステアリングホイールをチルトアップさせるパーツや、クイックなシフトチェンジを愉しめるCAEウルトラシフター、そして、BRIDEのスポーツシートを装備するなど、ポイントを押さえたモディファイが施されていた。
最後に愛車の好きな部分をお聞きすると「全部!」と回答してくれた44さん。自身で取りつけたという前後バンパーを持つ「シリーズ3.5」のアバルト595は、配色やステッカーの位置に至るまで小技がきいていて、楽しく乗っていることが伝わってくるクルマなのだった。