汚れや濡れを気にせず荷物を載せられるクロスビー
今回は、前席2名乗車での検証であるため、後席を格納したときのラゲッジフロア奥行きも気になるところ。ヤリスクロス:1370mm、CX-3:1270mm、クロスビー:1165mmとなり、ボディ全長に余裕があるヤリスクロスがリードする。
なお、その際のフロアのフラット度では、ヤリスクロスとCX-3が優位でほぼフラットになる。クロスビーはやや角度が付くが、とはいえ大きな段差ができるわけではないので、あまり気にすることはない項目だ。
アウトドアの帰りには、荷物が汚れていることもありがちで、雨に降られてしまえば、荷物が濡れてしまうことも。そんなシーンでは、クロスビーの撥水シート、防汚ラゲッジフロアが功を奏す。汚れや濡れを気にせず乗車でき、荷物をガンガン積めることになる。
と、ここまでおもにラゲッジルームの荷物の積載性について比較検証してきたわけだが、注目したいのは、後席の分割方式だ。CX-3とクロスビーは一般的な6:4分割。しかし、ヤリスクロスは欧州車のワゴン、SUVのように4:2:4分割を採用(グレードによる)。
後席使用時でも中央部分がスルースペースになり、長尺物の積載、ラゲッジルームにペットを乗せるのにも向いている(エアコンの風通しやキャビンの飼い主とのアイコンタクトが可能)。
しかし、アウトドア派にとって決定的とも言える、ヤリスクロスのストロングポイントが、ハイブリット車に4万4000円のオプションとして用意されるAC100V/1500Wコンセントだ。車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、照明などが使え、充電式湯たんぽの充電が可能になるなど、アウトドアライフを一段と快適なものにしてくれるのだ。
4WD性能ではヤリスクロスかクロスビー
また、アウトドアフィールドに向かう道が極悪路だった場合の走破性=4WD性能では、4WDの性能を引き出すマルチテレインセレクト(MUD & SAND/NOMAL/ROCK & DIRT)の用意があるヤリスクロスと、スノーモード/グリップコントロール/ヒルディセントコントロールを完備するクロスビーが、CX-3をリードする展開になるはずだ。
というわけで、アウトドアの荷物をしっかり積めて、ガソリン4WDの走破性に強みがあり、ハイブリッド車なら燃費性能に優れ、AC100V/1500Wコンセントの用意もあるのがヤリスクロス(ただし、ハイブリッド車だと価格は約228万円~と高くなる。推奨中心グレードのGは約240万円)。
スタイリッシュで荷物の積載性も十二分なのがCX-3。そしてコンパクトさが売りであり、価格面でのリーズナブルさ(約184万円~)や走破性にこだわっている、マイルドハイブリッドのクロスビーという結論となる。筆者の独断的結論からすれば、ヤリスクロスかクロスビーを、アウトドア派にとってはクロスオーバー感の強いエクステリアデザインを含めて、お薦めしたいところだ。