極限まで攻めた設計のエンジンを搭載
1999年のフランクフルトモーターショーで予告され、2000年3月のジュネーブモーターショーでデビューしたBMW E46型「M3」。前世代であるE36 M3と比較した場合にはラグジュアリーな印象が強くなっていて、レースで勝つためのクルマ、というそれまでのイメージとは異なっていた。
110キロもダイエットしたM3 CSL
しかしいざ乗ってみると、3.0Lエンジンを搭載したE36 M3Bと比べれば吹け上がりは鈍いものの、3.2LエンジンのM3Cよりもはるかに気持ちがよく、どんな回転数からアクセルを踏んでも瞬時に加速していくところに、排気量の偉大さを感じさせてもらった。
6速マニュアルトランスミッション以外に、E36型から採用されたSMG(Sequentilles M Getriebe、セミオートマチックトランスミッション)もSMG IIへと進化をしていて、はるかに扱いやすいものとなっていた。もちろん、現代のセミオートマと比べれば、まだまだ制御は甘いのではあるが。
そんなE46型M3のSMG II採用車をベースとして誕生したのが、「M3CSL」である。CSLとは「Coupe Sport Leichtbau」、つまりは軽量モデルということ。
ルーフをカーボン製としたほか、ウインドウのガラスも薄いものに交換し、フロントバンパーもカーボン製。インテリアにもカーボン製パーツを使い、電動シートやフォグランプを廃することで、110kgの軽量化に成功している。
軽さのため、ナビやオーディオ、エアコンさえもオプションだったこのモデルには、制御をするDMEの進化に伴い343psから360psへとパワーアップされたS54B32型エンジンが搭載されていて、セッティングを変更したサスペンションやハイグレードのブレーキシステムも採用されている。
ステアリングのギヤ比がクイックとなっていることと、セミオートマチックトランスミッション、SMG IIの制御も変更され、シフトスピードが改善されているのもポイントだった。