TÜV認証のないパーツは違法になる
ドイツの警察の方々が厳しくチェックしているのが、TÜV(テュフ)が認証した厳しい基準をクリアしたパーツでチューニングしているか、です。ドイツの認証機関のひとつであるTÜVは、安全・品質基準をクリアして出荷販売できるようにするため、厳しい検査基準を設定。自動車やそのパーツやアクセサリ類、タイヤやホイールもそうですが、工業製品全般の多岐にわたる製品にまで事細かく検査が義務付けられています。この基準テストをクリアした商品は認証マークを刻印されるのです。
ドイツではこのマークが入っていないパーツの装着は基本的に禁止されており、例外として取り付ける場合もそのパーツごとに車検場に持ち込んで品質安全検査が必要となりますから、その時間と費用を捻出する必要があります。
例えば、サスペンションですとH&Rやビルシュタイン、アイバッハなどのドイツの大手メーカー製品ですと、必ず自社でTÜVの認証マークを取得していますので、安心して装着できますし、違法にもなりません。ですので、ドイツ警察が推奨しているのは、「正しいパーツで合法で安全なチューニングを楽しみましょう」ということなのです。
ドイツではTÜVが認証していないパーツでチューニングをすると違法となってしまうため、法に触れるリスクを犯してまで違法チューニングカーを公道でドライブする人は多くないそうで、「キチンとルールを守っておられますよ」とは警察の方の弁。このようなチューニングメッセ会場にある警察ブースで、知らずにうっかりいじって違法となる前に、気軽に相談できてアドバイスを受けられるのは心強いでしょうね。
余談ですが、取材したのはサッカーのワールドカップで日本対ドイツ戦が行われた後だったため、ドイツの警察の方たちも日本という国にとてもご興味を持っていただけたようで嬉しかったです。そして、やはり日本に行って日産「GT-R」やホンダ「NSX」などの日本が誇るスーパーカーのパトカーをぜひ見てみたい! とのことでした。ドイツ警察のなかでも、日本のスーパーカーパトカーは有名なのだそうです。