ジャストサイズの“ホットハッチ”、「ポロ GTI」がマイナーチェンジ
フォルクスワーゲンは2022年11月21日、マイナーチェンジしたコンパクトハッチのハイパフォーマンスバージョン「ポロ GTI」を発表した。6月にベーシックモデルのマイナーチェンジが行われているが、そちらに合わせての改良となる。車両価格は411万3000円(消費税込)だ。
パワートレインを改良し、より速くより軽快に
搭載される2Lターボエンジンは、最高出力を従来型の200psから207psにパワーアップ。最大トルク(320Nm)は変わらないものの、1500〜4500回転という広い範囲で発生することが可能となっている。これにより、0-100km/h加速は0.2秒速くなった6.5秒(欧州測定値)を誇る。トランスミッションは従来型の6速DSGから7速DSGへと変更されている。
シャシーは専用セッティングが施され、ノーマルモデルより15mm低いローダウンサスペンションが装着された。ショックアブソーバーのダンピング特性をノーマル/スポーツの2段階に切替え可能なアクティブダンパーを備えた、スポーツセレクトシャシー付きスポーツパフォーマンスキットをオプションで採用。スポーツパフォーマンスキットには18インチアルミホイールとセットとなったスポーツセレクトパッケージも用意されている。
また、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」とドライビングプロファイル機能を引き続き標準装備。XDSは高速コーナリング時に駆動輪内側のグリップ不足を検知すると、車両がブレーキかけて内輪の空転を抑制することでトラクションを回復させる装備だ。
ドライビングプロファイル機能は、ドライバーの好みに合わせて走行モード(コンフォート/エコ/スポーツ/カスタム)を選択、スポーツセレクトのダンピング特性やギアの制御プログラム、ステアリングやエンジンの特性を変更してくれる。
インテリアはGTIの伝統を受け継いだ
エクステリアは、4つの補助灯を備えたハニカム形状のフロントグリルや左右ヘッドライトをつなぐ車幅灯、ヘッドライト内側まで延長したレッドのアクセントラインなどでGTIらしさを表現。左右フェンダーのGTIエンブレムや、レッドのブレーキキャリパーも雰囲気を高めてくれる。
インテリアではGTIの伝統を感じさせてくれるチェック柄のファブリックを用いたトップスポーツシートを前席に装着。ブラックを基調としたスポーティな室内は、ダッシュパッド、シートやシフトノブのアクセントにレッドを施し、GTIならではの空間に仕立てられている。GTI専用マルチファンクションステアリングや専用表示のデジタルメータークラスターも備わっている。
先進装備も充実しており、ACC(アダプティブクルーズコントロール)とレーンアシストの複合機能であるトラベルアシストを採用。斜め後ろの車両を検知して車線変更をサポートするサイドアシストプラス、駐車可能スペースの検出とステアリング操作を行うパークアシストなども装備した。
また、新たにLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」を備えた。これはフロントカメラで対向車や先行車を検知、マトリックスモジュールに搭載されたLEDを個別に制御することで眩惑を最小限にとどめつつ照射エリアを最大限に確保するヘッドライトだ。
なお、9.2インチのタッチスクリーンを備えた、インフォテインメントシステムのディスカバー プロはオプション(15万4000円・消費税込)とされた。車線の逸脱を防いでくれるレーンキープアシストシステム、前方の車両や歩行者を検知して衝突被害軽減をサポートするプリクラッシュブレーキシステム、万が一の事故時に自動でブレーキをかけて車両を減速させ二次被害を防止してくれるポストコリジョンブレーキシステムなど、安全装備も備わっている。
ボディカラーはピュアホワイトとディープブラックパールエフェクトに加え、新色としてキングズレッドメタリック(有償オプションカラー、3万3000円・消費税込)とスモーキーグレーメタリックが加わり、合計4色の展開とされた。
AMWのミカタ
グリルの赤いラインとシートのチェック柄といえば、紛れもない「ゴルフGTI」を彷彿とさせるもの。そしてシート地のチェック柄といえば、ポルシェを思い出す人も多いだろう。1970年代〜1980年代のポルシェでは、さまざまな大きさのチェック柄が採用されたが、1990年代以降はどちらかといえばオールドファッションな感じがしたものだ。しかし、ファッションと同じく時代はめぐり、いまチェック柄が新しく感じられるのだろう。