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バブル時代に憧れた「モモ」「ナルディ」「パーソナル」。なぜ昭和時代はステアリングを交換した?

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 日産自動車/AUTO MESSE WEB

昔のクルマ好きはこぞって変えたステアリング

 エアバッグが普及する前、昭和の走り屋たちにとって、ステアリング交換はチューニング&セッティングの第一歩として定番のメニューだった。

 当時の純正ステアリングは樹脂製でグリップが細く、滑りやすくて安っぽいものがほとんどだった。そのため、本革のレーシーなステアリングに交換するのはマストだったわけだ。そんな時代に愛されたブランドを振り返ってみよう。

ナルディ

 走り屋愛用のステアリングといえば、今も昔もナルディだ。ナルディは1932年創業のイタリアの老舗のメーカーで、エンツォ・フェラーリやフェルディナント・ポルシェもその製品を評価。多くのレーシングカー、スポーツカーに採用された実績がある。

 とくに3本スポークの傑作「クラシック」は愛用者が多く、今でもジムカーナの競技車両などでは、圧倒的なシェアを誇る。ほかにも「コンペティション」や「ジウジアーロ」なども人気があった。

 ナルディのステアリングは、いずれも飽きのこないデザインで使い込むほど馴染み、耐久性も高い上質な本革と、職人の手による丁寧な仕事が特徴。ウッドはクラシックカーには定番の逸品だ。日本人の手によく馴染むステアリングだ。

モモ

 ナルディと人気を二分するブランドがイタリアのモモ。こちらは1964年創業で、創業者はレーシングドライバーとして活躍したジャンピエロ・モレッティ。彼の名前「モレッティ」のMOと、F1イタリアグランプリの開催地で有名な、モンツァの「MO」を合わせて、MOMOと命名されたブランドだ。

 モモの一番人気は「ベローチェ」だが、真円極太グリップの「ジャッキー・スチュワート」や「ロニー・ピーターソン」など往年の名ドライバーの名を冠したモデルもあった。また、センターパットのついた「コブラ」や「ミステリー」も定番だった。

 国産車にもトヨタ スープラ(70型)やマツダ ロードスター、ホンダ シビック タイプR(EK9)、三菱ランサーエボリューション、スバル レガシィ、ダイハツ コペンなどにモモのステアリングが純正採用された実績がある。

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