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ザ・昭和な街道レーサー仕様のスズキ「ワゴンR」がハンパない! 本物の「ハコスカ」「ケンメリ」パーツを流用してカスタム

丸目4灯ヘッドライトはケンメリ用で、ウインカーはローレル用をセット

軽カーを街道レーサー仕様に

 クルマ好きのなかには普通のクルマでは飽き足らず、トガッたカスタムを施した昭和車でしか満足できない人達がいる。圧倒的な存在感を放つ彼らのカスタムカーは、見る人をワクワクさせる不思議な力が宿っている。

 カスタムに対する「カッコよさ」の尺度は人それぞれ。自らの感性に従って仕上げたクルマはオリジナリティにあふれているものだが、街道レーサーの面白みはまさにこの独自性にあるといっていい。

もともとはバニング仕様だった!

 今回紹介する昭和テイスト全開のクルマは、埼玉県在住の「02さん」のこだわりが詰まった1台。正体不明感を漂わすベース車両は、驚くことに初代スズキ「ワゴンR」だった。

 元々は「カスタムオオフチ」という地元のカスタムショップでバニングカーとして仕上げていたそうだ。そのワゴンRをパートナーが気に入って乗っていたのだが、スタイルに飽きてしまった02さんが、ふと昔を思い出してイジりはじめたのがきっかけとなり、バニングから街道レーサー仕様へと変更。

 次第にカスタムがエスカレートし、変わりゆくワゴンRの姿をみたパートナーのひと言は、「もう私は乗れない……(泣)」。この言葉を皮切りに、02さんのカスタムへの情熱はリミッター解除となり、より大胆に振り切った仕様にチャレンジすることとなる。世にも珍しいワゴンRベースの街道レーサーは、このような経緯で誕生したのだった。

 よく見ると、このワゴンRが装着しているパーツは、昭和のクルマ好きにとって懐かしいデザインのものばかり。ボディカラーは、数々の偉業を成し遂げた日産ワークス・ハコスカ国光カラーを再現し、テールは本物のハコスカのテールを移植。そして、丸目4灯ヘッドライトはケンメリ用で、ウインカーはローレル用をセットするこだわりようだ。

細部にまで至って当時感を再現

 パーツチョイスは完全に街道レーサーのスタイルで選択。1970年代後半から1980年代初頭にかけて流行ったカスタムとして、GX71「マークII」用のボンネットを加工して取り付けたロングノーズをセットし、箱スカチンスポ、ビタローニミラー等も装着。

 また、当時感の再現という意味では、スピードスターSSRフォーミュラメッシュの13インチアルミも見逃せないポイントだ。この時代、SSR製のホイールは街道レーサーたちの憧れだったことを思い出す。

 ヤンチャ感を醸し出す外装には、少し珍しいパーツを取り付けている。それは、ケーニッヒっぽいブリスターフェンダーだ。てっきりワンオフで作り出した前後フェンダーかと思っていたが、02さんの話では初代ワゴンRが登場した当時、カスタムオオフチからこの街道レーサー仕様のボディキットがリリースされていたとのこと。今となっては貴重な当時物エアロパーツで、おそらく現存するのは、このクルマを含めて2セットということだった。

 その他の外装系では、エンブレムがハコスカ用ではなく、R32GT-R用だったり、マフラーのエンド部に名車「CBX400F」用ヨシムラサイクロンのサイレンサーを取り付けるなど、悪ノリでカスタムを楽しんでいる。

 インテリアは当時物グッズのオンパレードで、水中花シフトノブ、つり革、ACドリンクホルダー、ルームミラーにぶら下げるサイコロ、紫の回転灯など。シートは、コブラタイプのバケットシートをセット。極めつけはロールバーに貼った「やんぐおーと」と「チャンプロード」のステッカーだ。

* * *

 どうせカスタムするなら昭和テイスト全開で、みんなが驚くクルマにしたい。そして、ただ驚かせるだけでなく、見る人が見れば、その当時感がちゃんと伝わる、そんな街道レーサーを目指して02さんはパートナー愛用のワゴンRにフルリメイクを施した。最後に、少しだけ見方を変えると、なんだかチョロQみたいで可愛らしさも感じられる1台であった。

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