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ランボルギーニ「エスパーダ」はガルウイングの予定だった!? 12気筒エンジン搭載の4シータースーパーカーとは?

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: LAMBORGHNI/原田 了

マルツァルからプロトタイプ、そしてエスパーダと夢を具現化

 ウエストラインのモールで分割された上下のサイドウインドウによって、まるで“金魚鉢。そもそもは観賞するためのものであり、鑑賞されるためのものではないはずだが……”となったサイドビューを持つマルツァルに比べると、前席と後席、都合2人分の乗降を賄う前後長の長いガルウイング・ドアは共通しているものの、プロトタイプのそれは、随分コンサバに映っていました。

 おそらくはBピラー部分をガラスで覆う処理となるのだろうから、完成するとまた違った印象となることは容易に想像できますが、それにしてもマルツァルの金魚鉢に比べると遥かに理解しやすいサイドビューです。前にも触れたように、直6をボディ後端に横置きマウントしたマルツァルから一転し、このプロトタイプではV12を縦置きでフロントに搭載し、後輪を駆動します。

 アウトモビリ・ランボルギーニの創設者であるフェルッチオ・ランボルギーニの個人コレクションを収蔵展示しているムゼオ・フェルッチオ・ランボルギーニには、オレンジ色のボディが印象的なエスパーダのプロトタイプに加えて、そのシャシーも収蔵展示されていました。

 スチールパネルをプレス成型して組み立てられたメインフレームは見るからに頑丈そうで、フロント部分に包み込まれたV12エンジンは、意外にもコンパクトに映っていました。

4シーターとしては“圧倒的な低さ”を達成

 サスペンションは前後ともにダブルウィッシュボーンタイプで、ガーリング製の前後別系統でコントロールされるサーボ付きディスクブレーキが装着されています。サイズ的には全長×全幅×全高とホイールベースは4740mm×1860mm×1185mmと2650mmですが、これは同時代の、直6をフロントに搭載した5/6座のクラウンやセドリック、グロリアといったフルサイズの国産車と比べて40mmほど長く160mmほど幅広いのは5ナンバー枠(4700mm×1700mm)があるため当然ではあるものの、ホイールベース(当時を前後する、それぞれ数世代の国産フルサイズは全車2690mm)はむしろ40mmも短く仕上がっていました。

 それでもエンジンをなるべくホイールベース内に載せようとする努力もみてとれ、4シーターといえどもスーパースポーツなのだと実感させられました。

 さて、エスパーダのスタイリングについても紹介しておきましょう。先に紹介したように全高は1185mmで、スーパースポーツとはいえ4シーターとしては“圧倒的な低さ”を達成。ただしルーフをリヤまで水平に伸ばすなどしてヘッドルームが稼がれていて、少しリクライニングした乗車姿勢とはなっていますが、4人乗車のグランツーリスモとしてのキャパシティは確保されています。

 またマルツァルやプロトタイプほどにはドアの前後長は長くなく、また通常の前ヒンジ後開きとなっていますが、後席用にも広めのサイドウインドウを用意し、またテールエンドにはスクープウインドウも設けられるなど、リヤ後方視界も確保されていました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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