昔は奇抜なボディカラーは敬遠されていたが……
クルマを選ぶときに大きな要素のひとつにもなるボディカラー。今でも定番のボディカラーと言えば、ホワイト、ブラック、シルバーの3色となっており、下取り額を考えればホワイトかブラック、汚れが目立たない色としてシルバーは高い人気を誇っている。
とはいえ、せっかくクルマを購入するのであれば、自分好みのボディカラーをチョイスしたいもの。ひと昔前では奇抜なボディカラーは下取り価格が下がると言われていたが、現在では残価設定プランなども浸透し、個性的なボディカラーを選んでも損をしにくくなってきているのだ。
そこで今回は「オールペンしたんですか?」と聞かれてしまうような、個性的なボディカラーを持つ車両を紹介したい。
サーモテクトライムグリーン(トヨタ プリウス/アクア)
トヨタのハイブリッドモデルに採用されていた「サーモテクトライムグリーン」は、緑がかった黄色のような独特のカラーだ。街中でもひと際目を引く存在感を放っている。
ただこのボディカラー、個性が強いだけでなく、熱を反射するチタンの粒子を塗料に混ぜ込むことでボディ表面の温度上昇を抑えるという役割も持ち合わせており、機能性を持ったボディカラーなのだ。
アクティブグリーンパール(ホンダ S660)
惜しまれつつも2022年3月をもって生産を終了してしまった、軽のミッドシップオープンスポーツである「S660」。当初からカーニバルイエローIIやプレミアムビーチブルーパールといったスポーツカーらしいポップなカラーをラインアップしてきたが、2020年1月のマイナーチェンジで新たに追加されたのが、「アクティブグリーンパール」だ。
このボディカラーは蛍光グリーンを思わせる鮮やかなグリーン系のカラーとなっており、現時点でほかのホンダ車には設定されていないカラーとなっている。
なお、日本国外で販売されていた先代型の「シビッククーペ」には近しいボディカラーの「エナジーグリーンパール」が存在していたが、アクティブグリーンパールとはカラーコードが異なっているのだ。
エメラルドスペクトラシャイン(トヨタbB/ファンカーゴ)
光の当たり方や見る角度によって、さまざまな色に変化するいわゆる「マジョーラカラー」は、1990年代を中心にショーカーやカスタムカーで人気となったもの。このマジョーラカラーを純正でまとってしまったのが、「bB」(初代)や「ファンカーゴ」に設定された特別仕様車のその名も「マジョーラ」だ。ちなみにマジョーラは日本ペイントの登録商標であり、当時のリリースにもその旨が記載されていた。
「エメラルドスペクトラシャイン」と名付けられたこのボディカラーは、見る角度によって紫、青、緑などに変化するもの。箱型のbBやファンカーゴにおいては何とも言えない不思議な雰囲気を醸し出すカラーとなっていた。
なお、bBにはのちに「マジョーラII」という第2弾も設定されており、こちらは「アガットスペクトラシャイン」という同じマジョーラ塗装でもダークレッドからカーキに変化するものとなっていたのだった。
チャイナブルー(日産マーチ/リーフ)
ボディカラーでブルーというと、鮮やかなパールがかったブルーや、深みのあるダークブルーがイメージされるところだが、日産のチャイナブルーはやや緑がかった水色といった色調で、いままでありそうでなかったボディカラーとなっている。
このボディカラーが初めて採用されたのはK12型の「マーチ」であり、「オートカラーアウォード2005」のグランプリを受賞するなど高い評価を得た。
その後、しばらくラインアップされなかったチャイナブルーだが、なんと2代目「リーフ」のボディカラーとして復活。電気自動車のクリーンなイメージにあったボディカラーということで、意外な組み合わせながら非常にマッチしたものとなっていた。