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ミニバンの憧れ装備「キャプテンシート」のメリットとデメリットとは? ベンチシートが便利なポイントも解説します

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: 本田技研工業/トヨタ自動車/日産自動車/マツダ/AMW編集部

2列目シートを2人掛けでゆったり使うという贅沢

 トヨタ「アルファード」のような高級ミニバンからコンパクトミニバンのホンダ「フリード」まで、3列シートミニバンの2列目の選択肢として用意されている「キャプテンシート」。乗員が1名分減っても余りある、その魅力を説明していこう。

ミニバン文化の成熟にともなって脚光を浴びるようになった

 多人数乗車が可能なミニバンの2列目席には、3人掛けの「ベンチシート」と、2人掛けの独立した「キャプテンシート」がある。そもそもキャプテンシートとは、船の操舵室にあるキャプテン(船長)の豪華な椅子が由来だが、たとえば日本のミニバンブームの火付け役となった、ホンダのクリエイティブムーバー第1弾として1994年にデビューした初代「オデッセイ」は、当初、2-2-2席の6人乗り、2列目キャプテンシート仕様のみだった。

 理由は簡単で、オデッセイがベンチマークとしたアメリカンミニバンがそうであったからだ。ただし、初代オデッセイが一気にブレークしたのは、2列目席3人掛けのベンチシートを設定した後からだった。

 当時の日本人の考え方としては、多人数が乗れるのがミニバンなのだから、1人でも多く乗れたほうが「便利そうだし、お得かも」という発想だったに違いない。たしかに乗員1人あたりの車両価格として計算すると、6(7)人乗りより7(8)人乗りのほうが「お得」に感じられるかもしれない。

 だが、ミニバンというクルマとそれを愛用するユーザーが成熟するにつれ、2列目席キャプテンシートが脚光を浴びるようになる。セダンやワゴンとは違う空間の広さとともに、だからこそ生きる2列目キャプテンシートの贅沢なかけ心地に注目が集まったというわけだ。

ファーストクラスの居心地を味わえる

 キャプテンシートのメリットと言えば、まずはフル乗車(理想は7人乗りでも2-2-2人乗車)しても、それぞれの乗員がゆったりと座れ、とくにミニバンの特等席となる2列目席のキャプテンシートによって、航空機のビジネスクラス的な居心地、かけ心地が得られる点だ。トヨタ「アルファード」のエグゼクティブラウンジシートに至っては、専用のテーブル、カップホルダーはもちろん、USBコンセント、オットマンなどフル装備で、まさにファーストクラスの居心地を提供。VIPや芸能人御用達なのも納得の2列目席空間演出がなされているのである。

 とはいえ、アルファードのエグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシートなどは別として、一般的には左右が独立し、その間に隙間があるのが普通で、であれば、ベンチシートでは不可能な2~3列目席スルー(移動)が可能になる点も、使い勝手としては大きな魅力となる。

 ベンチシートに比べ、リクライニング機能が充実しているのもキャプテンシートで、アルファードの場合、水平からのリクライニング角度はエグゼクティブラウンジシート/エグゼクティブパワーシートが89度。対してベンチシートは83度と、角度が大きく違うのである。つまり上級キャプテンシートであれば、シートバックがほぼ水平まで倒れることになる。2列目席エアコン吹き出し口、スライドドア部分のロールサンシェードなどとの相乗効果によって、極めてプライベート感とリラックス感ある居心地が得られるというわけだ。

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