突発的な災害現場で迅速な初期消防を展開できる
「突発災害に特化した消防車両」というコンセプトに求められる仕様は、コンパクトであること、卓越したオフロード性能、災害に応じて機能を変えられることの3点。消防車を手がけるモリタは架装メーカーであり、通常の消防車もシャシー部分はトラックメーカーから購入して製作している。このレッド・レディバグのベースとなったのは、おもに北米で販売されている川崎重工のオフロードバギー「ミュール(MULE)」だ。
悪路走破性はもちろんだが、初期消防として必要最低限の活動を行なうため、横に3名乗車できる点もレッド・レディバグのポイント。大型特殊の9ナンバーで公道走行可能で最高速度は72km/hまで出せる。火山灰が1m積もった路面でも走行でき、タイヤからクローラーに履き替えれば砂浜や豪雪地帯でも活躍してしまう。また、長距離を移動する場合にはトレーラーに積載するパッケージも用意しているとのことだ。
コンテナユニットを用途に合わせてカスタムし、あるいは複数のコンテナユニットを使い分けることで多彩な活躍が期待できるレッド・レディバグ。その名前からして、海外ではてんとう虫が幸運の象徴であることに由来している。災害で困ったときに助けに参上! そんな祈りがこめられているのだ。