居酒屋風キャンプサイトに遭遇
2022年10月29日から30日の2日間、ゆたかな自然に抱かれた朝霧高原オートキャンプ場を舞台に開催された「JAC関東の集い」。JAC(日本オートキャンプ協会)がオートキャンプを普及することを目的に開催した同イベントには、キャンプを愛する30組の趣味人たちが集まり、おのおの自由なスタイルでキャンプを楽しんでいた。そのなかでも個性的なサイトで注目を集め、キャンプのムードメーカー的な役割を果たしていたのがジョニーさん。少し強面ではあるが、気さくに取材に応えてくれたジョニーさんのキャンプスタイルに迫ってみたい。
「自然の中で美味しいお酒を飲む」がモットー
「私にとってキャンプは“遊びのベース基地”であり、楽しむための手段だと思っています。キャンプをすることだけが目的ではなく、キャンプをすることで友人が増え、趣味であるバイクがより楽しくなり、仲間たちと美味しいお酒を飲むことができる。そのためにキャンプをしていると言っても過言ではないですね。普段は東京都内で施工管理技士として働いているのですが、それは世をはばかる仮の姿であって本当は根っからの遊び人なんです(笑)」
そう語るジョニーさんは、SNSも積極的に活用して遊びの輪を広げているようだ。
「Facebookでは“ちょっとキャンプに行ってくる”というグループを持っていて定期的にキャンプを主催し、“セローであそ部”というヤマハのトレイルバイク愛好家が集うグループでは管理者を務めながらバイクのイベントを楽しんでいます。その関係で私のキャンプサイトは一般の人とは違ってしまい、今回のイベントでもスクリーンタープをベースにビールサーバーを並べているのでイベントの物販ブース風(笑)。でもこのビールサーバーは私にとっての大切なコミュニケーションツールであり、イベントで声をかけてくれた人たちに無料でふるまっています。話をするきっかけにもなりますし、一緒にお酒を飲むことで仲良くもなれる。私は“自然の中で美味しいお酒を飲む”がモットーの呑兵衛ですから(笑)」
保護犬を迎え入れてからは犬とのキャンプが中心に
出逢いを大切にするジョニーさんのキャンプ歴は47年と古く、中学生時代に体験した進学塾の合宿キャンプが始まりだと言う。
「最初にキャンプを体験したのは13歳のときに通っていた進学塾が主催した夏休みの合宿キャンプでした。東北の山の中に連れて行かれ、ガスや水道、電気のないキャンプ体験はかなり過酷なものでしたが、自分の力で生き抜くサバイバル的な楽しさに目から鱗が落ちる思いがしました。その後19歳で免許を取得すると自由に移動できる車中泊の楽しさに目覚めたのですが、10年前に保護犬を迎え入れてからは現在のキャンピングカーでのスタイルが定着した感じですね」
「犬とのキャンプが中心になるとロッジが借りられないことも多く、ハイエースを手に入れてキャンピングカーへと改装することで自由にキャンプができるようになりました。夏でも犬たちが安心してキャンプができるように家庭用のエアコンを装備するなど、自分流の工夫を加えていくのは楽しいですね。でも、急な豪雨でサイドタープが重さに耐えられずに壊れてしまい、修理をしようと思ったら部品代よりも新品の方が安上がりだったなど、苦労話は絶えません(笑)」
人生最後の住処として楽園を手に入れた遊び人
今回のインタビューでも「NO CAMP, NO LIFE」と掲げてくれたジョニーさん。キャンプ好きが高じ、2022年には自分だけのフィールドを手に入れて新たな生活をスタートさせたそうだ。
「私は品川区で生まれたのですが、キャンプやバイクに夢中になるにつれ、少しずつ都心から離れた土地へと移り住み、2022年には終の住処として自然が残る茨城県の守谷市に家を建てました。その理由は犬との生活と趣味を楽しむスペースが欲しかったからで、自分では“Johnny’s BASE”と呼んでいます。180坪の土地をフェンスで囲って住居とガレージ、ドッグランとして使っているのですが、イメージとしては個人のキャンプ場みたいな感じですね」
「保護犬としてわが家にやってきた北海道犬の北斗(ホクト)、甲斐犬の虎太郎(コタロウ)と虎鉄(コテツ)の3匹が自由に走り回り、愛用のキャンプ道具と8台のオートバイを納めたガレージは自分が求めていた夢でもあります。庭で焚火をしたり、星空を眺めながらお酒を飲んだりと、非日常を日常として楽しめる生活は本当に幸せなこと。キャンピングカーも別荘として有効利用できるので重宝しています」
理想の自宅を手に入れたことでデメリット(?)もあるようだ。
「でも、最近は自宅の庭で過ごすことが多くなり、あまりキャンプ場に行かなくなりました(笑)。仕事から帰ると奥さんや愛犬たちとノンビリと過ごし、週末になればキャンプやバイクの仲間たちが集まって楽しい時間を満喫する。中学生のときにキャンプと出逢わなければ、今の生活はなかったと思います。これからもキャンプを楽しみ、多くの仲間たちと楽しい時間を過ごして行きたいですね」
ジョニーさんはキャンプと出逢ったことで人生が楽しいものへと変わり、還暦を迎えた今もキャンプやバイクを満喫している。その姿はキャンプ好きの憧れであり、目指すべきスタイルなのかもしれない。