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30代青年が生まれる前のスズキ「フロンテクーペ」を愛する理由とは? 旧車ライフの秘訣は「自分で整備」でした

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

スタイルも走りも画期的だった

 軽規格のエンジン排気量が360ccだった時代の軽自動車は長い間「スバル360」の天下が続き、それを1967年にデビューし爆発的にヒットしたホンダ「N360」が販売実績で凌駕するという流れの中で、一気に高性能化が進んだ。そのような状況で1971年にスズキが送り出したのが、高性能かつスタイリッシュなスタイルを特徴とする「フロンテクーペ」だった。

 世界的に有名なインダストリアルデザイナーのひとりであるジョルジェット・ジウジアーロの原案をもとに、スズキ社内のスタッフがデザインし直したといわれているフロンテクーペのプロポーションは驚くほどカッコよい。「ホンダZ」が開拓したスペシャルティカーのマーケットに向けて投入されたクルマだと解釈できたが、その走りの良さから、フロンテクーペはマイクロスポーツカーである、と定義することすらできた。

初期型の「納屋物」を2台目として購入

 1971年式という初期モノならではの2シーター仕様のフロンテクーペGXに乗っているダイスケさん(まだ30代だが、過去にサニートラックを愛用!)も、スポーティなフロンテクーペでしか味わうことができないカタチのよさとシャープなハンドリングに魅せられてしまったオーナーのひとり。じっくりお話を伺ってみると、なんと、現在乗っているのがご自身にとって2台目のフロンテクーペであった。

「このクルマは2年前に買いました。以前は1974年式の白いフロンテクーペに乗っていたんですよ。現在、2ストのSJ30FK型ジムニーも所有していますが、そっちのほうは、以前、同型のバンを愛用していました。フロンテクーペは、より旧いのを見つけてしまい、コレにしたんです。納屋に20年間放置されていたクルマがオークションに出てきたのでそれを買って、1年がかりで直しました」

 じつはダイスケさんはクルマの整備を生業とするメカニックをやっており、自分で直すことができるのだ。

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