じつは現在も雑誌の「移動編集部」として健在
北欧の短い夏のバカンスを楽しむためのキャンパー/モーターホームは、かの地では古くから馴染み深い存在で、サーブ本社もトーステン・ヨハネソン個人のユニークな試みにそれなりの興味を示したとされる。しかし、すでにサーブは1964年から「SAABO(サーボ)」というブランドで独自のキャンピング・トレーラーを生産しており、また、同じスウェーデンの「Toppola(トッポラ)」というボディ架装メーカーがサーブ「99」用の後付けキャンピングシェルを市販したこともあり、結局サーブ自身がトーステン・ヨハネソンが作ったような独自のキャンピングカーを生産することはなかった。
その後40年以上ハンティング・ロッジとして放置され朽ち果てかけていたサーブ92Hは近年、現地の有志らの手によって森の中からレスキューされ、その後大規模なレストアが行われ路上復帰を果たしている。また、本稿の主役たる2台目の(そして最後の)サーブ・ベースのキャンピングカー「95HK」も健在で、現在はスウェーデンのヒストリックカー専門誌「KLASSIKER」が所有して「移動編集部」として活躍しているそうだ。
■Auto Cult(オートカルト)サーブ95HK 1965
定価:2万4200円(税込)
型番:09016
問い合わせ:国際貿易 https://www.kokusaiboeki.co.jp