ACシュニッツァーの人気はアジア諸国に広がっている
ACシュニッツァーで仕上げたクルマは日本では非常にポピュラーで、街でもチラホラ見かけることはありますが、なぜか本国ドイツではめったに見ることのない稀少車です。
例えば、BMWのMモデルやアルピナのおもな販売先は北米です。そのためACシュニッツァーのチューニングカーの多くもドイツから北米のファンへと渡っているのかと思いきや、いまの販売先の大半は中国やタイなどのアジア諸国とのこと。なんだか意外で驚きました。
その要因にはコロナ禍やウクライナ問題、そしてエネルギー価格の上昇と、北米への輸送費や税金諸々の諸経費を含めると、ドイツでの販売価格のざっと倍近くは必要となるため、いくらセレブとはいえ非常に厳しい価格になってしまったそう。逆に、アジア諸国は経済発展著しく、ACシュニッツァーがそれらの国のファンの方々に高く評価されており、その勢いは高まるばかりだとか。
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2020年のエッセンモーターショーは中止、2021年は厳しい制限下で開催されたこともあり、来場者の数は非常に限られていました。2022年の今年は、やっとすべての制限が解除され、多くの来場者で会場はあふれかえっていました。ACシュニッツァーのプリビル氏に通常開催となった今年のショーについて伺ってみると、
「昨今はソーシャルメディアでいくらでも新型車両や新製品を見ることができる時代だが、行動制限の厳しいコロナ禍を経て、人々は実物を間近に見て触れることに飢えていたし、コロナ以前にはごく普通だったことが、こんなにも素晴らしいことだと気づいた」と、あらためて人やモノとの繋がりの大切さを強調。
さらに、「BMWは落ち込む景気のなか、大きなスタンドを出展して自動車メーカーとしてファンへ向けて実車とともに大きなアピールをしてくれたことは非常に素晴らしい」とBMWを大きく評価し、ファンが求めていたのはこれだ! と熱く語ってくださいました。自動車メーカーが率先してくれることで、アフターパーツやチューナーの業界にも活気を取り戻せる起爆剤になればと願わずにはいられません。