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「ドイツ車って硬い!」BMW「118d」にラテン車オーナーが乗って感じた自動車先進国の当たり前の凄さとは?【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

エントリークラスとはいえ一歩も二歩も先行っている

 毛嫌いをしていたわけではないが、これまでドイツ車と触れる機会があまりなかった。というのも新車の試乗会では撮影のためにクルマを“移動させる”程度でしっかりと乗ったことがなく、ラテン車(イタリア・フランス)が好きな私はプライベートでも縁がなかった。唯一、きちんと試乗したことがあるのは、企画で使用したBMW「M240i」と「M2」というスポーツモデルのみという偏りっぷり。

 今回、AMWリレーインプレ第2弾で俎上にあげたのはBMW「118d」(ディーゼルモデル)となった。普段、イタリアの大衆車に乗る私が、118dに乗って感じたジャーマン流“スタンダード”の印象をお届けする。

乗った瞬間にわかる剛性さ

 編集長から118dのキーを受け取り、早速ドアノブを引いた瞬間から「おっ!」と思わされた。適度な重さからは鉄板が厚いことが伺え、しっかりとした感じが、ドアを開けた瞬間から感じられた。閉まるときも重厚感のある「バンっ!」という音、開け閉めという自然なそぶりにもきちんとした挨拶をとるクルマなのだという生活感が漂っている。

 シートに腰を下ろし、インパネ周りを見回すと、黒を基調としたシンプルで視認性のいいダッシュボードが好印象だ。ステアリングはレザー。シートはオプションで選択することができる、パーフォレーテッド・ダコタ・レザーに変更されていた。

 張りの強い硬めのシートだが、パーフォレーテッドを採用することで、肌と触れ合う部分に湿気や熱気がこもることが避けられ、長距離移動疲労が少ないことが感じ取れた。まさに輸入車を買うということは、すぐに溶け込んでいくものでありながらも国産車とはどうも感覚的に違っている、異国情緒的な「こういうこと」がぎっしり詰まっている、とも思えた。

 しかも、私がこれまで触れてきたモデルと言えば、輸入車なのに特別豪華な装備があるわけではなく、高性能でもないという、それが“普通”と思っていただけに、「なるほど……」と頷くばかり。

ドシっとした乗り味が好印象

 いつも手動で合わせているドライビングポジションは電動パワーシート(1シリーズは全車標準装備)。これが、ドイツ流のおもてなしってやつかぁ……。早速、シフトレバーの近くにあるスターターボタンを押し、エンジンをかけるとディーゼルとは思わぬ静けさに驚いた。ギヤのポジションをドライブに入れ、ブレーキをリリースさせ、そっとアクセルを踏み込むと低回転域から感じるトルクの太さに唸ってしまった。

 やや混み気味の道を選んでしまい、ストップ&ゴーの連続だったが転がしただけでもわかる、クルマとしての“しっかり”さを感じられた。普段、私はイタリアのコンパクトカーを愛車にしている。どこか頼りないゆるさが魅力と感じていたが、さすがドイツのフォーマルモデルだなと感じたのは、路面の凹凸をサスペンションがしっかりと吸収し、運転席に座っている限りフラットライドを提供してくれる。ゆるさがどこにもなく、つねにドシっとした乗り味となっていた。ひょっとして足まわりを社外品に変えているのでは……と疑ってしまうほど。

 もうひとつ、最初の路地を曲がったところから気づいたのがハンドリングのよさ。切り出しからスッと反応し、いつもの交差点なのに、舵角応答性がいいから意味もなくコーナーの多い道を選びたくなった。

 とくに気持ちいいと感じたのは、レインボーブリッジの下を走る大きなコーナーでの、法定速度40km/hでステアリング角度を一定に保ちながら狙ったラインを狙ったままトレースしてゆく感覚。まさにオンザレールである。

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