2リッターディーゼルターボとは思えぬ加速
撮影場所に到着し、クルマのアングルを決める。陽のあたりを確認するために、118dのドアを開けると「ガラガラガラガラ」と、控えめにディーゼル音が聞こえてきた。車内の静粛性を感動しつつ、そうだ、ディーゼルに乗っていたのだと思い出した。
ラゲッジルームは5人乗車の通常時で380L、リアシートを倒すと1200Lまで拡大することが可能だ。もしアウトドアをするなら、床下収納も備えているのも嬉しい。余談だが、撮影のために手伝いをお願いした編集Oにリヤシートに乗ってもらい移動したが、居住性も悪くないという。
さて、撮影もそこそこに、あらためてディーゼルを意識して乗ってみたが、グッと踏み込んだときのトルクの太さは「さすが!」と感じる。2リッター直4エンジンからは150psを発生するが、スペックさえ聞かなければ3リッター並みと思わせるような力強い加速を見せつける。ディーゼルだとかFFだとか、そんなのは関係なしに運転が楽しいと感じた。
安全装備も充実
運転といえば、もちろん安全装備も充実している。ツラツラと並べると、ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)、トラフィック・サイン・アシスト(速度制限認識)、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、レーン・チェンジ・ウォーニング、クロス・トラフィック・ウォーニング(リヤ)、前車接近警告機能、後車衝突警告機能、衝突回避被害軽減ブレーキが全車標準装備となる。
例えば、輸入エントリークラスのフィアット500なら、予防安全装備としてESC(エレクトロニック スタビリティ コントロール)とABS + EBD(アンチロック ブレーキシステム + エレクトロニック ブレーキフォース ディストリビューター)が採用されている。
シトロエンC3なら、クルーズコントロール/スピードリミッター、ディスタンスアラート、アクティブセーフティブレーキ(被害軽減ブレーキ)、ドライバーアテンションアラート、スピードリミットインフォメーション、レーンデパーチャーウォーニング、ブラインドスポットモニターを装備する。上記のモデルと比較をしてもBMWの安全と信頼が群を抜いて優れていることは明らかで、これは上級モデル並みの内容っぷりではないか。
日本でも軽自動車やコンパクトカーにも運転支援システムや安全装備の採用が当たり前となっている。一方で、コスト面の関係もあり国産のコンパクトカーではなかなかこだわることも難しい、その先にあるドライビングプレジャーでも118dはしっかりしている。エントリークラスとはいえ、まだまだジャーマンが一歩も二歩も先行っているなあと感じられる試乗だった。