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なぜステアリングの素材は多種多様? 「ウレタン」「ウッド」「レザー」のメリットとデメリットとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • WRX S4 STI Sport #のハンドル

  • NBロードスターのレザーステアリング
  • WRX S4 STI Sport #のハンドル

走り好きはステアリングにもこだわる

 クルマの運転中、つねに手で触れているハンドル。操作性に大きく影響するパーツであるため、強いコダワリを持つユーザーも多くいるだろう。社外品を選ぶときはサイズやデザインに加え、素材が何であるかも重要なポイントになる。それぞれのメリットやデメリットを理解し、スポーツ走行に適した製品を選んでほしい。

多くの車種に採用されている「ウレタン」

 まず純正ステアリングに多く使われるのはウレタン。最大のメリットは安価に製造できることだが、操作性や耐久性の面で大きなメリットはない。ただし表面の加工や処理によっては滑りにくくすることも可能で、純正ステアリングで何ら不満はないという人も少なからずいる。

クラシックカーに多い「ウッド」

 ではクラシックなクルマに人気のウッド、すなわち木製のステアリングはどうか。高級感はバツグンでレトロな雰囲気も大きな魅力だが、ただし素手で操作するとすべりやすいのがマイナス。かつて流行ったフィンガーレスのグローブなら相性は悪くないと思われるが、クラシックカー以外では使っている人をほとんど見かけずスポーツ走行に向いているとはいえないだろう。

スポーツステアリングの定番である「レザー」

 となれば最適なのはやはりレザー製だ。スポーツカーや高級車には純正で採用されることも多く、すべりにくさ/吸湿性/触り心地/燃えにくさ/耐久性と、人気の高さを証明するかのように数多くのメリットがある。また表面をパンチング加工で滑りにくくしたり、ステッチの色を変えデザイン性を高めるなど、製品ごとに個性を出しやすいのも大きな魅力である。

NBロードスターのレザーステアリング

 ちなみに同じレザーでもバックスキンと呼ばれるタイプもあり、名前から推測できるようにスキン(革)を裏返し(バック)にしている。通常のレザーよりすべりにくくレースカーやサーキット仕様でよく見かけるが、そもそもがレーシンググローブを装着して使うことを大前提に作られており、素手で使うと触っている部分がすぐツルツルになってしまうので要注意だ。

 オーソドックスなレザーも長く使っていれば表面が擦れたりボロボロになるが、バックスキンは操作の確実さとトレードオフにライフが短いと理解しておこう。

* * *

 エアバッグの標準化やステアリングにスイッチ類が集約されたことで、以前と比べれば社外品に交換するユーザーは減ったかもしれない。とはいえクルマを乗り換えてもステアリングだけは移植するなど、手に馴染んだ感覚を大切にするユーザーは決して少なくないのだ。劣化したら革を張り替えてくれる専門店もあり、文字どおり「一生モノ」として使い続けられる。スポーツ走行をサポートしてくれる重要な存在のステアリング、妥協することなく自分にピッタリの一品を探してみよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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