追加インジェクター
ボルトオンターボやタービン交換といったチューニングが広がりだした頃、タービンの容量に合わせてどう燃料を増やすかがひとつの課題だった。
当時はコンピュータチューンも発展途上で、大容量インジェクターを精密に制御するハードも技術もなかったので、メインインジェクターに追加インジェクターをプラスして、それを追加インジェクターコントローラーで制御するのが一般的だ。
しかし、コンピュータも賢くなり、処理速度も速くなり、チューナーのコンピュータの解析、セッティング能力も上がったことで、フルコンやメインコンピュータで、大容量の多口式インジェクターを制御するのが当たり前になり、追加インジェクターの出番は失われていった……。
触媒ストレート
排気効率を語る上で、かつては目の敵にされていたのが触媒。触媒を外すのは今も昔も非合法だが、スポーツ触媒がメジャー化する前は、純正触媒を外して、触媒のスペースにただのストレートパイプを入れて、排気抵抗を減らすチューニングに走る人も……。
彼らが触媒代わりに使った直管が、いわゆる「触媒ストレート」。昨今では環境性能が厳しく問われるようになり、排気抵抗が少なく、保安基準もクリアするスポーツ触媒が普及したことで、触媒ストレートを使うチューニングは下火になった。
アーシング
10年ぐらい前に流行ったアーシング。もともとボディアースを利用していた部分を、専用のアーシングケーブルで直結し、電気の流れをよくするのが目的のチューニングだ。
エンジンの始動性やレスポンスのアップ、ライトが明るくなる、オーディオの音がよくなる、燃費性能の向上などのメリットとともに、エンジンルームのドレスアップにもなるとして評判に。
しかし、自動車メーカーは細心の注意を払ってハーネス類の設計を行っており、古いクルマならともかく、新車ではほとんど効果がない。
さらに後付け配線は電気系トラブルの大元でもあり、センサーやECUが誤作動を起こしたり、車両火災の原因になった例もたくさんある。細い配線は、大きなトラブルを防ぐヒューズとしての役割として、ワザと容量を絞っていることもあるので、おすすめできない。
それよりも、コネクターや端子をきれいにし、ボディのサビ対策を施し、劣化したハーネス類を新品に交換した方が、安全かつ効果的だ。