いつでもヤンチャ、熱くて楽しい「GTI」
ゴルフRにはドライビングモードに過激な「レース」モードがある。4輪駆動ゆえの特権で、後輪の駆動トルクを増やすことでテールスライド気味の特性が得られる。FFのGTIには望むべくもない設定だが、GTIこそ過激なパワー制御の「レース」モードがあってもいいように感じたほどだ。
Rにはそんな荒々しさはない。さすがに加速性能ではGTIに勝るものの、激しさは抑えられている。その分GTIの方がヤンチャでじゃじゃ馬。楽しいのである。
組み合わされるトランスミッションは7速DSGだから、一切のレスポンス遅れはなく、瞬殺でシフトアップが繰り返される。ツインクラッチらしい電光石火で変速には乱れがなく、激しくはないが、加速はとにかく荒々しいのだ。
そもそもエクステリアの印象も過激である。フロントの、左右を貫く赤いピンストライプはホットハッチの証だし、ハニカムデザインのインテークや、左右それぞれ5つに分けられたフォグランプも速さの印だ。メーター類もハニカム柄にデザインされており、過激さはコクピットからも味わえる。
ホットハッチの代名詞として君臨してきたゴルフGTIは、いまだにゴルフ史上もっとも熱いゴルフであり、その座を譲る気配はなさそうだ。