未来的なデザインで新しい高級感を演出する「EQS」
「EQS」は、メルセデスベンツのBEV、一切の内燃機関に依存しない電気自動車である。
スタイルは徹底的に空気抵抗を減らした4ドアハッチバックであるかのようだ。例えばドアハンドルは格納式であり、ボンネットはフェンダーまで回り込んだタイプ。のっぺりした未来的なフォルムが特徴なのである。それによって空気抵抗係数は0.20を実現する。
スポーティモデルでも最長601kmの航続可能距離
ボディサイズは内燃機関を搭載する「S400d」と、そのホイールベースを延長したロングとの中間に位置する。それでいて、ホイールベースはロングとほぼ同等であり、つまり、そこで稼いだフロアに低く薄く広くバッテリーを搭載しているわけだ。
フラッグシップの「AMG EQS 53 4MATIC+」には、107.8kWhもの大容量バッテリーが搭載される。それでもボディは2.7tもあるから航続可能距離は期待したほど伸びないが、601km(WLTCモード)だから、十分というのか物足りないというのか。
それでも150kWのチャデモにも対応しているため、電力を10%から80%まで注ぐのに48分だという。50kWの急速充電器でも110分である。インフラさえ整えば足は長いと言えるのかもしれない。そもそも空気抵抗係数が0.20だから、高速巡航をすれば意外に電費を稼ぐことができるだろう。
先進性を感じさせるコクピット
近未来的なのは室内にもおよぶ。
ドライバー正面のモニターは12.3インチ、中央には17.7インチ、そして助手席側には12.3インチ、それら3画面がフラットにつながっている。機能の操作はタッチパネル経由である。あるいは「Hiメルセデス」からの音声認識に委ねることになる。機能のすべてを紹介すると膨大な原稿量になってしまう。だが、それらがすべて画面内に格納されているというわけだ。