ターボモデルにもキャンバストップ仕様を設定
マツダの軽自動車として長い歴史を誇るキャロル。現在はスズキ アルトのOEMモデルとなり、クルマ好きの間ではそこまで話題に上ることも少なくなってしまっている。
しかし1962年に登場した初代モデルは、360ccでありながら、水冷の4ストローク直列4気筒のアルミシリンダーを備える当時の軽自動車としては異例のエンジンを搭載。そのエンジンのコントラストから「白いエンジン」と呼ばれるなど話題を集めた1台だった。
そんな初代モデルは1970年に販売を終了し、しばらく間が空いた1989年に2代目となるキャロルが登場し、当時の販売チャネルのひとつである「オートザム」から販売されたのである。
ターボ車らしいアレンジでファンを魅了
この2代目キャロル、内外装はマツダのオリジナルデザインを纏っていたが、実はプラットフォームを3代目アルトと共有しており、足回りやエンジンなどはアルトと同様のものが使われていたのだ。当初は550ccでスタートした2代目キャロルだが、軽自動車の規格があらためられたタイミングで660ccへと排気量を拡大。そして1991年1月にはターボモデルも追加されている。
さすがにアルトワークスに搭載されたDOHCターボではなく、61psを発生するSOHCターボではあったが、丸みを帯びた可愛らしいスタイルはそのままに、ボンネットに備えられたエアスクープや、標準車とは異なるグリル中央に備えられたフォグランプなど、ひと目でターボモデルと分かるルックスが特徴的となっていた。
またキャロルにはキャンバストップ仕様が存在していたのだが、なんとターボモデルにもキャンバストップ仕様を設定。アルトワークスのようにターボの4WDモデルという激辛ホットハッチは存在しなかったものの、オープンエアモータリングも楽しめるターボモデルが存在していたというワケである。
3代目モデルにもターボ仕様が設定されていた
なお、1995年に登場した3代目モデルも、引き続きアルトのプラットフォームにマツダオリジナルの上物を乗せた仕様となっており、ターボ仕様(2代目同様SOHC)も設定されていた。
この3代目キャロルには、某イギリスの小型車を模した六角形のメッキグリルや前後のメッキバンパーなどを備えたマツダスピード製のエアロパーツが存在していたり、ミツオカ レイ(初代)のベース車として使われていたりと引き続き特徴的なスタイルを纏っていた。
しかし、実用性を重視したのか、ややボクシーなスタイルとなり、初代ほどの人気を獲得するには至らず、4代目からは完全なるOEM車となってしまった。