普通では物足りないカスタマーに最強モデルがリリース
BMWのファンならば、誰もがデビューを待ち望んでいたともいえる、BMW Mの最速モデル「M4 CSL」。CSLの称号がBMWにとって、とりわけ彼らのモータースポーツ活動にとっていかに重要なものであるのかは、広く知られているとおり。ちなみにM4 CSLは全世界で1000台の限定生産。日本には25台が正規輸入され、BMWオンラインストア限定で、10月の初旬までにはすでにその当選者が決定している。
現在BMW M社によって開発されるMモデルは、2タイプ存在する。ひとつは、サーキットでの走行を可能とした「Mハイ・パフォーマンス・モデル」。もうひとつは、サーキットで培われた技術を導入し、運動性能を積極的に高めた「Mパフォーマンス・モデル」だ。M4 CSLはもちろん前者に相当する。
究極のドライビングを提供するM4 CSL
ベースとなったのはM4コンペティションのRWDモデルで、ここから約100kgの軽量化を施し、さらに40psのパワーアップを実現。550psの最高出力がスペックシートには新たに記載されることになった。シャシーもM4コンペティションをベースに、路面の追従性やダンパーのレスポンス等々を向上させるために、ボールジョイントを4カ所追加しトータルで14カ所に。専用サスペンション、専用スタビライザー、そしてMカーボン・セラミック・ブレーキなどの標準装備で究極のドライビングを提供する。
だが世界には、それでも満足できないハイエンド・スポーツの走りを楽しみたいというカスタマーが数多く存在する。そのようなカスタマーにとって大きな助けとなるのが、いわゆるチューニング・メーカーで、ここで紹介するマンハートもまた、その代表的な例である。
マンハートの取り扱いモデルは幅広く、ポルシェやメルセデス・ベンツにも及ぶが、やはりメインとなるのはBMWだ。当然彼らにとっても最新のG82型M4 CSLはチューニングのベース車としては魅力的な存在で、それが多くのカスタマーの心を魅了しつつも1000台の限定車として販売されることにビジネスのチャンスを見出した。
「MH4 GTR II」と呼ばれるそのニューモデルは、M4 CSLのカスタマーはもちろんのこと、M4のカスタマーに対しても、とても気になるフィニッシュの一台として仕上げられている。
最高出力は702psを発揮
そのエクステリアは、GTRエアインテークを備えたボンネット、フロントスポイラー、3ピースのリアスポイラー、リアデフューザー、サイドスカート、エアロフリック、フェンダーサイドルーバー、2ピースのリアサイドルーバー、やはり2ピースのリアバンパー。そして、もはやお馴染みになったマンハートオリジナルのデコレーションセットで、さらに過激な雰囲気が醸し出されている。
前後のホイールはYido Performance製の鍛造アルミニウムホイールを装着し、サイズは前後とも20インチ。タイヤサイズはフロントが275/30ZR20、リアが295/30ZR20の設定となる。ちなみにホイールのリムカラーは、カスタマーのリクエストでどのようにでもペイントが可能だという。
注目のエンジンは、排気量などに変更はないものの最高出力は702psにまで向上。これはマンハートMトロニック補助制御ユニットによる効果はもちろん、フラップ機構付きの排気システムに110mm径の4本出しマンハートカーボン、もしくはセラミックコーティングパイプの組み合わせといった排気システム等々の恩恵によるものだ。
インテリアは、マンハートのフロアマットとシュロスの4点式シートベルトによって、さらにスポーティな印象へと変化。キャビンのリアセクションは、さらなる剛性と安全性向上のために、ロールケージも装備される。M4 CSLをさらにハイパフォーマンスなマシンへと進化させたいカスタマーに向けて、魅力的な最強モデルへの道を開いている。