15インチをあえてチョイスした理由とは
設計する段階では、アームに角度がついてしまうと乗り心地が悪くなるので、専用ブロックを製作してアーム類が水平を保てるように調整した点がポイント。以前に乗っていた仕様はアームに角度が付きすぎて、サスペンションジオメトリーのバランスが崩れたことで乗り心地が悪化、突き上げ感も酷かったという。また、延長ショックはフロントがビルシュタインで、リアはランチョRS9000をセットしている。
タイヤはごついブロックで岩山もガンガン登っていけるスペックを持つマキシスタイヤ(37×13.50R15)をセットし、ホイールはミッキートンプソン・アルコアクラシックをチョイスした。
このタイヤ&ホイールの組み合わせにもオーナーのセンスの良さを感じる。ともにアメリカンオフロードで存在感を示すメーカーの製品を選択し、そしてサイズも17インチではなく15インチにこだわる組み合わせが素晴らしい。当時感という意味では、やはり15インチがベスト、まさに玄人ならではの選択といえるだろう。
外装については他にもハイリフト仕様車を主張するポイントとしてオーバーフェンダーをセット。これも当時物のアクセル製ということだった。また、ルーフにはキャリアをセットしてRV車のなんたるかを主張。そのままではお飾りになるので、リアハッチにラダーを取り付けている。
12インチリフトアップによって全体の車高はかなり高くなっている。さぞ乗り降りはしにくいと思うが、戸枝さんいわく「使っていくうちに自然と慣れるもんだよ」とのこと。そんなことよりも、運転席から見える景色は素晴らしく、また、人の視線も感じて目立てる点が何よりも魅力的だと話してくれた。
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信号待ちの際に、戸枝さんのデリカが後ろに止まったら、普通の人ならまず間違いなく驚くだろう。本人は本場のモンスタートラックと比べたらまだまだというが、我々から見れば間違いなくモンスタートラック改めモンスターミニバンといえる出来栄えだ。