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12インチアップの三菱「デリカ」! リターン「ハイリフト」のオーナーが3台乗り継いで4台目で到達した究極スタイルとは

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

15インチをあえてチョイスした理由とは

 設計する段階では、アームに角度がついてしまうと乗り心地が悪くなるので、専用ブロックを製作してアーム類が水平を保てるように調整した点がポイント。以前に乗っていた仕様はアームに角度が付きすぎて、サスペンションジオメトリーのバランスが崩れたことで乗り心地が悪化、突き上げ感も酷かったという。また、延長ショックはフロントがビルシュタインで、リアはランチョRS9000をセットしている。

 タイヤはごついブロックで岩山もガンガン登っていけるスペックを持つマキシスタイヤ(37×13.50R15)をセットし、ホイールはミッキートンプソン・アルコアクラシックをチョイスした。

 このタイヤ&ホイールの組み合わせにもオーナーのセンスの良さを感じる。ともにアメリカンオフロードで存在感を示すメーカーの製品を選択し、そしてサイズも17インチではなく15インチにこだわる組み合わせが素晴らしい。当時感という意味では、やはり15インチがベスト、まさに玄人ならではの選択といえるだろう。

 外装については他にもハイリフト仕様車を主張するポイントとしてオーバーフェンダーをセット。これも当時物のアクセル製ということだった。また、ルーフにはキャリアをセットしてRV車のなんたるかを主張。そのままではお飾りになるので、リアハッチにラダーを取り付けている。

 12インチリフトアップによって全体の車高はかなり高くなっている。さぞ乗り降りはしにくいと思うが、戸枝さんいわく「使っていくうちに自然と慣れるもんだよ」とのこと。そんなことよりも、運転席から見える景色は素晴らしく、また、人の視線も感じて目立てる点が何よりも魅力的だと話してくれた。

* * *

 信号待ちの際に、戸枝さんのデリカが後ろに止まったら、普通の人ならまず間違いなく驚くだろう。本人は本場のモンスタートラックと比べたらまだまだというが、我々から見れば間違いなくモンスタートラック改めモンスターミニバンといえる出来栄えだ。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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