テーマはズバリ「外は汚く、中はキレイに」
エイジング500のオーナーは名古屋のエイジさん。カスタム歴はトヨタ「ハイエース」を皮切りに10数年におよび、趣味のペイントカスタムで以前はホンダ「N-ONE」を旧ミニ風にしたりしていたそうだ。
エイジング塗装にずっと興味はあったものの機会に恵まれず、この500が初めてだという。2年ほど前、ショップで売りに出ていた時点で純正状態にある程度エイジングしてあったのを購入している。ベースのボディカラーがホワイトでやりやすかったこともあり、さらにDIYでエンジング塗装をグレードアップしてディテールに至るまで仕上げていった。ヤレヤレ感を出すためにサイドをわざと凹ませる執念のほどには恐れ入る。
それでいながら、ドアを開けるとインテリアは縞鋼板のパネルが輝き、髑髏柄のステアリング、ガンハンドルタイプのシフトノブ、クラシックなコブラシート(ヘッドレストを自作)などが装備された、ピカピカかつマッシブな空間だ。現代的なカスタムカルチャーのノウハウがふんだんに投入されていて芸も細かく、サビサビな外観とのギャップが面白い。
「外は汚く、中はキレイに、を目指してます」とにこやかに語るエイジさんにとって、21世紀のフィアット500はとても楽しいカスタム素材のようだ。かわいくレトロな雰囲気でいながら、エイジング系カスタムも受け入れてしまうのもまた、国際的に愛されるベーシックカ―ならではの懐の深さというものだろう。